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川厨 佐記
川厨 佐記
novelistID. 70986
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7つの夢の物語

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第1夜 ドライブ中の夢


 友人の運転する車である場所に向かっていた。
 助手席に座っているからには、運転手が眠くなったりしないよう、適度に話しかけねばならないことは心得ていた。友人は運転しながらいろいろ話しかけてくれていたので、それに受け答えするのが自分の役割だ。
 しかし、頭がぼーっとして友人の話が入ってこない。ひどく眠いのだ。
 その一瞬後、自分は目的地に着いていた。いやあ、思ったり早く着いたね、と友人に言おうとして、ふと気づいた。こんなに早く着くはずがない。ついさっきまで、助手席に座っていたのだ。
 なるほど、これはきっと夢なのだと思い至った。友人の運転中、自分は助手席で不覚にも眠りに落ち、あろうことか、勝手に目的地に着いた夢を見ているのだ。
「起きなきゃ」と強く思った。大体こういう時は、夢の中で体を動かせば目が覚める。
「えい」と体を動かすと、予想通り夢から覚めた。……が、何かおかしい。
 自分は布団の中にいた。しかもこれはどう考えても現実だ。
 どうやら自分は布団の中で、友人とドライブに行く夢を見ていたのだ。そしてそのドライブ中に眠ってしまって、夢を見ていた。
 本当なら、一度、友人の車の助手席で目を覚まし、それからこの布団で目覚めねばならなかったのだ。それを一足飛びに布団の中に戻ってしまった。
 第一段階の、ドライブ中の夢の中では、助手席で眠りこけている自分に呆れながらも、友人はまだ運転を続けていることだろう。

作品名:7つの夢の物語 作家名:川厨 佐記