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ニューワールド・ファンタズム

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【作品タイトル】ニューワールド・ファンタズム
       
【ペンネーム】


【あらすじ】

剣と鮮血の世界。命ある人間。全知全能の神。モンスター。それぞれが生きる混沌の世界。
誰かが創った、想像の力が生きる世界。
?英雄王?ギルガメッシュ。生命の愚かさを見た神々とそれに抗う生命の聖戦《神生大戦》を終結させた始まりの英雄。それから時は進み……。
未だ最下層に到達した者がいない迷宮を進む《冒険者》と《神》の物語。
新人冒険者《アルタイル・アリエル》。祖父と父が消えて数年。モンスターに襲われ、覚醒したもう一人の自分を機に世界が広がった。
彼は父と祖父から学んだことを生かして冒険者家業を行っていた。そんなある日、トップクランの?閃光?と出会う。そこから始まった英雄物語?神々に嫌われた男?と呼ばれた彼の秘密。自身の本当の心を知った者の技。
機動兵器のパイロット《エイル・ローグ》。彼の祖国《ブリタニア王国》は神の恩恵を受けられず、モンスターにおびえる日々が続いていた。女が戦争に勝ち、男が奴隷として扱われている国。そんな時とある研究者が残した《神経接続機構》を使った人類が造ったもう一つのモンスター《セルウス》が完成し、奴隷を乗せることで平和を築いていた。
光の戦士が現れ奴隷兵の少年達と冒険者のアルタイルが女神を殺す……。エイルの魂が、光の巨人が神を裁く。過去との決着が着いた時、世界は変わる。最古の英霊と最高の英雄の人生。
これは?神々と生きる者?が紡ぐ、ハッピーエンドの物語。

――――しかしこの世界は、本当に《本物》なのだろうか―――――――――――。








                               
 無限とも思える程果てがない迷宮と、それぞれの文化がある国々。
 過去、神々が現れ、目を覚ました迷宮。モンスターが跋扈し、宝があふれる暗闇。
それが、《俺達》が生きる世界の全てだ。
少年が剣を手に、英雄を夢見て走る世界。想いの力が世界そのものを作り変える。
戦う誰もが努力し、剣の腕を上げていく…………。目先の物だけに囚われ、死んでいく者も大勢いたが、現在の世界は平穏だった。
ここは、血濡れた現実。本物の笑顔がある。偽物など何一つ存在しない。
ここは、二つが生きる、幻想世界。










 「ふーっ…………」
 呼吸を整え、両刃片手剣の剣先を《敵》に向ける。構えた瞬間、刀身を赤い光が覆う。
 片手剣単発突進技《ヴォーパル・ブレイク》。
低く、速く。赤い光を帯びながら走る剣は敵、レベル九十二モンスター《ウルフナイトエース》の肩を鎧ごと抉った。
これが《剣技》。《俺達》に与えられた戦闘スキル。魔法以上の確実性と剣術以上の殺傷力を持つ必殺技。動作があらかじめ決まっているため、使用者が技の動きに逆らわないように加速してやれば更に威力は向上する。
「ぐるうあああっ!」
狼騎士は反撃の為に両手剣を正中線に構え、上段斬りを放ってきた。両手剣単発重突進技、《ライトクラッシュ》。黄色い光を帯びた剣が俺の目の前に現れる。
この技は単純故に威力が高い。上位剣技として申し分ない技だ。それに対して俺は片手剣水平四連撃《エクシア》を発動する。
「…………………せやっ!」
 連撃で一撃を受け止め、押し返す。狼が硬直した瞬間に、俺は蹴りをお見舞いする。
距離が開き、互いに大技の余裕ができる。
「………………」
「ぐぅううう…………」
互いに睨み、気配を読み合う。
俺の片手剣より、狼の両手剣の方が一撃の威力は高い。それに俺は片手剣の防御手段である盾を装備していないため、守りに入るとこっちが不利だ。
「はーっ…………ッ」
 同時にスキルを起動し、ライトベールが刀身を覆う。
――――――ダッ。同時に走り出した。
「ぐがああああっ!」
ウルフナイトエースが放ったのは、両手剣三連撃、《グラム・リープ》。
初撃。顔ギリギリに来た刀身の側面に刃を当てる。俺が放ったのは片手単発突進技、《ソニックリード》。上位剣技と中位剣技がぶつかる。すると、狼の両手剣を覆っていた黄色の光が何度か点滅した後、消えた。無論技は終了していない。これは《スキルブレイク》という対人専型種族用の規格外スキルだ。規格外とはそのままの意味で、世界に組み込まれたシステム以外の、効果を持った技という意味。《スキルブレイク》は相手のスキルと自身のスキルを互いの剣の中心で衝突させることで相殺するというもの。
連続技は発動途中にスキルを停止されると硬直時間を課せられるが、単発技はそもそも放ち終わった後のため、硬直の隙をつくらないで済む。
それに、中位剣技は上位剣技と比べて威力が物足りない分、硬直時間も短い。
 俺は硬直した狼人間に向けて新たな技を放つ。
「う、おおおおおッ?」
 一瞬のタメにより剣速をフルブースト。放つのは片手三連撃、《イーグル・ウィング》。
精密さを求められる上位剣技。初撃は垂直の振り下ろし、二撃目は水平左斬り。そしてラストアタック。三撃目、水平右斬り。
「ぐううがああああ!」
獣の断末魔が尾を引いて響く。
 愛剣《ナイトプレート》を手に歩む黒いロングコートの剣士。

―――これが誰の過去なのか、未来なのか、まだ分からない―――――――――――。








 《神生大戦》最終決戦・最高神ゼウス。
「愚かで傲慢な人間よ、貴様等は何故抗う?お前たちがこの地球を穢しているのだぞ」
そんな最高神ゼウスの言葉に
「俺達が生きている。それ以外にあるか?物事を考えて話せ下郎!」
そう叫ぶ《ギルガメッシュ》。そして静かにゼウスは雷撃を放つ。
「消え失せろ《雷光》」
「チッ……?ソニックアクセル?!」
《武技》。近接種族が使う戦闘方法。最も効果が出る力の込め方を昇華させたもの。《アクセル》は速度特化。
断界剣《クリムゾン・エア》、始人剣《エクスペリエンス》を握りしめ空にいる最高神に接近する。
「人魔剣、竜技?竜牙突撃(ドラグストライカー)?!」
強力な力を持つ神々に対抗する為、あらゆる種族が協力して作り出した流派《人魔剣》。その中でも《竜族》の攻撃力を再現した?竜技?。生命力の塊、《闘気》が竜の形になり、ギルガメッシュの刺突と共に突進する黄金の竜が最高神に喰らいつく。
「貴様…!死ね!」
更に大きな雷撃……。しかしギルガメッシュは《クリムゾン・エア》で雷撃をかき消した。
「なっ……」
「知らぬだろう?この剣を。貴様等に抗うために作られた、種族を越えた剣だ!……《百花繚乱》!」
小さい雷撃を高速の剣技で切り伏せる。その時最高神は思い知った。この傲慢な男の力は、全種族の技術全てなのだと。
「……消えろ!」
《雷撃演歌》!
多数の雷撃がギルガメッシュを襲う。
「笑止!?飛天?!」
闘気の斬撃が雷撃を叩き斬った。
「終わらせるぞ下郎!民が吉報を待っている!?竜魂剣装?!」
現れた闘気の竜が天に掲げた《クリムゾン・エア》に宿り、刀身が黄金に輝く。
『其方を虐げる者がいるのなら、我は祖奴を叩き潰そう……理不尽は俺の剣が叩き切る!』
「これが貴様等神々に送る、俺達の《お返し》だ!」
「ふざけるな!《神滅雷熱殺(ライジングサンライト)》!」