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居なくなった人たち　その１

村という名前で呼ばれていた集落は私が生まれ育ったところ。
山に囲まれ家の前は田んぼが広がっていた。わがやの集落のほとんどが農家で、おじさんおばさんたちは毎朝鍬を担いで畑へと向かっていた。

私の家は母が医業だったので、ある時期は病院へ通いまた後に自宅で開業していた時期もあった。周囲の人は母のことを先生と呼んでいた。
私がおむつをしたまま走っているころを知っている人らはみな優しかった。