綴-After your death I realized-
『4月:雨 ついに高校生。やっと決心がついたの。皐月に謝ろうと思う。私、影から皐月みてたら、やっぱり幼馴染じゃなくなってたみたい。私、女の子として皐月が好き。ほんとに好き。すごく好き。なんか、ストーカーみたいで気持ち悪いかもしれない。でもね、昔から私は皐月のことが大好きだったの。私がすごく小さいとき、お漏らししちゃったの、ばれないように処理してくれたり、これは小学生四年生くらいのとき、塾が一緒だった男子からガムを髪にはき捨てられたとき、仕返しして、髪のガムとって洗うの手伝ってくれたり…。』
もうその先は、あふれ出る涙で読めなかった。
「お前、なんかい好きっていれてんだよ…」
もう漏れ出る嗚咽は隠せなかった。
「百合…香ぁぁ…」
『気持ち悪いんだよ!!』
自分の言葉が反芻される。
どうして…気づけなかったんだ…
「こんなに、近くにいてくれたのにッッ!!」
ノートを集めて、バッグに詰め込む。
「百合…香…ごめ、ん……」
涙が止まらない。後悔と自責の念で。
あぁ、このモヤモヤはそういうことだったのか。
「百合香…俺も…大好きだ」
俺は向かう。その自分の気持ちの証明と贖罪のために…。
「3万円になります」
所持金をすべて費やし買占めた
そして向かう。初めての墓参りだ。
「百合香」
墓石に語りかける。返事はもちろんない。
「ごめんな、こんなへたれた行動しかできなくて…。」
俺は、500mlの水で、数百錠の睡眠薬を体に流し込む。
沈むのは昨日と同じ真っ赤な夕焼け
「今夜から、ずっと一緒だ」
愛してる、百合香。
作品名:綴-After your death I realized- 作家名:紅蓮