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積 緋露雪
積 緋露雪
novelistID. 70534
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THE [FIRST] BOOK OF URIZEN

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一つの蜘蛛の巣の如く、湿りて、冷たき、そして、曖昧模糊に
彼の哀しみの魂から引き出されつつ
地下牢の如し天は分かちつつ。
ユリゼンの歩一歩が
市市の上を歩くところ何処もが哀しみの中に。

7.一つの「蜘蛛の巣」が暗黒に寒さで、すっかり至る所を全て蔽ふまで
その苦悩させられし要素が伸びりけり
ユリゼンの魂の哀しみから
そして、その蜘蛛の巣は初期段階で未発達の一人の女性なり
何ものもその蜘蛛の巣を壊せぬなり、誰も炎の翼を持ってゐなかった故に。

8.さうして糸は捩れ、そして、結ばれし
編み目の数数は、人間の脳の如く捩れし

9.そして、誰もがそれを、「宗教の網」と呼びし

第九章

1.それからそれらの「数数の都市」の住人たちは
それらの「数数の神経繊維」が「骨髄」へ変はるのを感ずるけり
そして、硬い骨骨ができはじめぬ
そして、すぐさま数数の災厄と数数の苦悩、
ずきずきとした痛みの数数とずきずきとする痛みの数数と軋むやうな音の数数が
あらゆる海岸を通りて、弱まるまで
「数数の感覚」は内部へと一斉に縮こまりけり
伝染病を蔓延らせる暗黒の網の下では。

2.縮みし目を曇らせ
織られし偽善を理解できぬまで
しかし、それらの天には縞のある泥土が
狭まる理解力によりて齎されり
透明な空気に見えしものとして、その結果、それらの目は
人間の目の如く小さくなりき
そして、爬虫類の姿となりて互ひに縮こまり
七フィートの身長で彼らは残りし

3.六日間彼らは存在から縮まり行くなり
そして、七日目に彼らは停止するけり
そして、彼らは七日を病んだ希望で祝福するなり、
そして、彼らの永劫の生を忘れりけり

4.そして、彼らの三十の都市が分かたれし
人間の心臓の形において
最早、彼らは自在に昇れず
永劫の空虚の中で、しかし、彼らの狭い理解力によりて
地へと縛り付けられけり
彼らはある年月の期間生きし
それから一つの有害な肉体を委ねし
貪り喰らふ暗黒の顎へ

5.そして、彼らの子供たちは泣きし、そして、建てし
荒涼とした場所に墓墓を
そして、思慮深き法の数数を作りし、そして、それらを呼びし
「神」の永劫の法の数数と

6.そして、残されし三十の都市は
潮の洪水に囲まれし、今呼ばれし
アフリカと、その名は当時エジプトでありぬ

7.ユリゼンの残されし息子たちは
彼らの兄弟がお互いに縮こまるのを見し
ユリゼンの「網」の下で、
信仰は空虚なり、
それといふのも住人たち地の耳は
衰へさせられ、そして、聞こえなくなり、そして、冷たくなりけり、
そして、彼らの目は認識出来ぬ、
彼らの他の都市の仲間たちを。

8.お互ひあらゆるものはそれ故にフューゾンと呼ばれし
ユリゼンの残されし子どもたちは、
そして、彼らはぶらりと垂れ下がりし地球に残されし
彼らはそれをエジプトと呼びし、そして、それは残りぬ。

9.そして、塩水の大洋が球体となりてうねり渦巻きぬ

ユリゼンの[第一の]書は終はりぬ
作品名:THE [FIRST] BOOK OF URIZEN 作家名:積 緋露雪