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㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭

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6話 金太郎飴


 池の水際に建つ古びた屋敷の前までやっと辿り着きました。すると、何とツユスケの報告通り、2匹の生物が……。
 その風貌は、目は紺碧色、耳は三角形でピンと立ち、口はトンガリ、肌は銀色、背丈はツユスケと同じくらい、つまり5尺程度、しかも尻尾もあります。
 実にワイルド!
 されども充分高等生物なんでしょうね、2匹が門口にある縁台に座ってチェスをやってました。
 私はこんな場面で似合うのは『玉より飛車を可愛がり』の『へぼ将棋』だろと思いながら「よっ、名人、大変お取り込み中ですが……、ちょっとお尋ね」と声を掛けました。
 しかれどもこの問い掛けを完全無視しやがるの。しばしの冷たい沈黙が。
 そしてそれを破ったのが老いた方の生物、その一匹が発声を、「チェックメート!」と。これに若い一匹が「リザイン」と返し、頭を深々と下げました。
 私は邪魔をしてしまったかなあと反省し、ただただ突っ立っていました。すると年若が声を掛けてくれました。「探してるのでしょ、高原料亭を」と。
 私は図星を刺され、即座に「恐れ入谷の鬼子母神、そうなんですよ!」と大声で返しました。これにニコニコッとされ、若い一匹様が答えてくれたのです。
「よろしいですか、そこに池があるでしょ、それを反時計回りで一周しなされ、そうすれば、そこの場所にお目当ての料亭はありますよ」と。
「えっ、えっ、えっ?」 私たち全員、この案内に三回首を傾げました。その様子を見ていた老いた生物が「金太郎さんのお嬢さまですよね、お待ちしてましたよ、お父上からはどこまで舐(ねぶ)っても金太郎さんの顔が出てくる金太郎飴を頂いたりで、随分懇意にさせてもらいました」と恐縮するほど深々とお辞儀をされたのであります。
 ヤッチンと私は「おいおい、またまた金ちゃん飴が飛び出したぞ」と思わず吹き出すのをぐっと堪えてると、「その節は父が大変お世話になったようで、ありがとうございました」と奈那さんが礼儀正しく頭を下げられました。
 すると「皆さん、初めてでしょうから、私ども並びにこの地についてのザックリとしたオリエンテーションをさせてもらいます」と。
 これは嬉しい。「お願いします」と頭を下げると、私たちの前でスッと背筋を伸ばされ、次のような話しをしてくれました。