㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭
1話 フワフワと
㊙ 未知ワールドのプラン2『㊙ ビーナスの森』の訪問を終えて、私・洋一と露払いの助、別称ツユスケは薄暗いアパートへと帰って参りました。
その姿は、疲れ切ってる私はヨタヨタと。一方ツユスケは内蔵された核融合バッテリーでエナージーは満タン。そのせいなのでしょう、いつものソーラン節を軽く歌いながらの御帰宅でした。
「♫ 男度胸なら『五尺』のからだ 波に上 チョイ ♫ ヤサエーエンヤーンサーノドッコイショ ♫ ~~~ ♫」と調子良す過ぎ……、でんがな。
「もう止めてけれ!」と懇願するエネルギーも私にはない。ただただ沈黙のままドアを開け、ヨッコラショ、ヨッコラショとDKへ。それからぼやけた灯りを点し、何はさておき冷蔵庫へと。
後はギンギンに冷えた缶ビールを取り出し、それをデコチンに当てる。その後はシュパッと開けて、グイグイと、――、無言で。
これで少しばかりですが、体力並びに魂が蘇り、ホッ! そしてドサッと椅子に着座。それから徐(おもむろ)に天を仰ぎました。
まさにその瞬間です、泡含みの黄金色の液体を天井に向かってブーと吹き上げてしまったのです。
私の毛の生えた心臓までもが飛び出したのではなかろうかと思われる衝撃&驚愕。こんな事、今までの我が人生にあったでしょうか?
答えは『Non』。
そうなんですよ、その理由(わけ)とは……、天井近くにフワフワと浮かんではったのですがな、――、『忍者フンワリ君』が!!
作品名:㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第3話 ㊙ 高原料亭 作家名:鮎風 遊