いたちごっこの堂々巡り
「もし分かったとしても、バックには、西園寺グループが控えているのだ。警察に何もできるはずもなく、それどころか、警察に何もできないということを、世間に暴露し、警察を愚弄するだけではなく、自分たち組織の駒の連中に、警察は当てにならないということを思い知らせる」
という、一石二鳥の考えがあったということだろう。
結局警察は、彼らに何も手を出すことはできず、地団駄を踏むしかない。
今は完全に、
「西園寺グループに敵うわけはない」
ということであった。
しかし、それは、
「今だから」
ということで、結局これは、
「サイバーテロ」
による、コンピュータウイルスの研究のように、
「いたちごっこ」
のようなものであり、それが結局、東西冷戦時代にあったと言われる、
「核開発競争」
つまりは、
「抑止力」
のようなものなのかも知れない。
ただ、これが抑止力になるのかどうか分からないが、
「正義は必ず勝つ」
といえるかどうか、結局は、歴史が答えを出してくれるのを待つしかないのだ。
しかし、それが
「いたちごっこ」
という堂々巡りを繰り返している限り、本当にそうなのかということは、誰にも分からないのではないだろうか?
( 完 )
64
作品名:いたちごっこの堂々巡り 作家名:森本晃次