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二重人格国家

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 という側面を持ったものだということの代名詞となっているものであるが、それが、
「裏の組織」
 というものの、存在意義でもあった。
 決して、国民や、国連などの、
「表の世界機構」
 にバレてはいけない。
「裏の世界機構」
 というものも存在するが、これは、各国に存在する、
「裏の政治機構」
 とは一線を画したものであった。
 最終的には、
「一つの組織となるべき」
 だということであろうが、これが、表の世界と裏の世界との違いだった。
「見えているもの」
 ということでの、表と裏が存在するのだが、それ以外にも、
「裏の世界で暗躍している中にも、裏表が存在する」
 というのが特徴である。
 だから、裏の世界の裏表というのが、
「ジキルとハイド」
 のように、
「同じ肉体に、二つの裏表の精神が宿る」
 というもので、一種のフランケンシュタインを彷彿させるものだということだ。
 実はその考え方が、
「国家の治安を守る」
 ということで、これは、大日本帝国の考え方と、今の日本の考え方を組み合わせたものである。
 それぞれに一長一短の問題が潜んでいることであろう。
 それが、
「民主主義と社会主義」
 というように、本来であれば、
「いいところだけを一緒にすればいい」
 という単純なものではない。
 ということになるだろう。
 それを考えると、
「日本という国が、もし、うまくいけば、今の時代の一番の理想国家というものに近づいているのではないか?」
 ということになる。
 今回の事件も、実は、
「ジキルとハイド」
 という人間を作ろうとしたことから起こったことだ。
 これが、一種の、
「フランケンシュタイン症候群」
 理想の人間を作ろうとして、怪物を作ってしまったという、
「フランケンシュタインのお話」
 である。
 政府要人を作りあげ、理想の国家にしようとしたが、その中に、
「ハイド氏がいる」
 ということが分かり、葬ったのだ。
 これは、刑事事件にしておかないと、他にもこれから同じような、死体が発見され、事件を何とか、普通の事件としてではあるが、
「未解決」
 ということにしておかないと、
「今までの苦労が水の泡」
 ということになってしまう。
 あくまでも、死体は人間であるが、殺された時には、痛みを伴わないように、葬るということで、秘密公安は、
「犯罪ではない」
 ということで圧力をかけ、ただ、事件にしてしまわないといけないということで、結局、
「未解決事件」
 ということにするしかないということだった。
 それを警察に、どのように理解させるか>
 それは難しい問題であるが、
「いずれ、国家の体制が見えてきて、秘密公安や、特殊警察の存在を表に出すことができるようになった時、日本は理想の国家として生まれ変わることができる」
 という発想であった。
「日本という国のためとはいえ、こんなことが許されてもいいのだろうか?」
 と、まずは、誰もがそう思い、今の時代が、
「亡国である」
 ということに気づいていないのだ。
 そうさせられたのは、政府であり、
「彼らこそ、抹殺されるべき存在だ」
 ということになるだろう。
 そのための暗躍を、今は、
「裏に徹して研究を行っているのだが、どうしても、ジキルとハイドが出てきてしまい、そこに人間の限界というものが出てきてしまうのだ」
 ということになる。
 だから、この事件は迷宮入りとなってしまうが、これからの時代は、
「似たような犯罪がたくさん起こる」
 という時代に突入する。
 それは、
「犯罪がなくならない」
 という発想を生み出すもので、
「考えてみれば、毎日のように、新聞を事件が賑わしているではないか?」
 ということである。
 新聞のネタというと、
「事件と、政治」
 さらには経済のネタ。
 それらは、単独に存在しているようだが、実際には、密接に絡みついている。
 それが、
「裏と表」
「ジキルとハイド」
 という発想に結びついてくるのだろう。
 事件において、麻薬が絡んでいた李、トリックの発想が頭をよぎったりするのは、それだけ、
「特殊警察」
 と、
「秘密公安」
 というものが、暗躍しているということになる。
 果たして、国家がどこに向かっているのか?
 そもそも、仇討ちができないような国家を民主主義だと考えるのが、どこか胡散臭い気がするのだ。
 それだけ、常識というものが、作られたものであり、洗脳されることで、まるで国民がロボット化しているように思えてならない。
「今の時代の事件というのは、その元になるというものが、政府であったり、裏の裏に潜む存在の
「二重人格国家」
 なのかも知れない。

                 (  完  )
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作品名:二重人格国家 作家名:森本晃次