ボクとキミのものがたり
『雪の日のミステリィ~こんな夜はお逃げなさい~』
内定が白紙になり、求人誌の織り込みにあった募集に応募した作品のタイトルだ。
不思議なキミのことを書いたこの文が、今の仕事に結びついたのだ。
後日、担当者から聞いた話では、作品の本文ではなくタイトルに何かを感じてくれたらしい。その後の作品しだいだと、毎回言われながらも仕事が続いている。
キャッチコピーに限らず、浮かぶ言葉を文字にして、持ち込んでは何らかの評価を受けている。『蜜柑』や『林檎』・・・キミの行動そのものが、ボクのイメージを膨らませる。
いろいろな表現ができるようになりたいと、勉強もしているつもりだ。
コピーライターという職業を人気職業として有名にした、エッセイや作詞、構成まで手掛ける糸井重里さんはボクの憧れ、きっと神様だと思っているくらいだ。
そんな神様の足元にも及ばないけれど、今でもキミに感謝しなくてはと、いつも懸命に書き綴ることで返しているつもりだ。
独書室。
独り原稿を書く空間になったこの部屋に愛着を感じている。
それはきっと、この独書室に心地良いキミの気配があるからに違いないと思っている。
作品名:ボクとキミのものがたり 作家名:甜茶