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ボクとキミのものがたり

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「な、何してんの!」
「にゃぁふん」
幼い時見た『しちひきのこやぎ』のオオカミように手先が粉で白くなっているキミ。そして、ボールに入った白い塊と交互にボクの耳たぶを襲う。ニタリと笑うキミ。
「ん?なになに」
すたたたっとキッチンに戻っていくキミの後ろ姿は、少し跳ねて見えた。
原稿用紙に向き直ったボクは、卓上のカレンダーが目が入った。
そっかぁ。一度 キッチンに立つキミを見たが目が合うことなくボクは作業を続けた。

キッチンは 忙しくなってきたようだ。鍋と金物が当たる音。水の流れる音。料理とはまた違う音だけど ボクは気にしない、でおこう。キミがにゃんと言うまで知らぬ顔をきめこむ。

作品名:ボクとキミのものがたり 作家名:甜茶