ボクとキミのものがたり
水族館を出て、駅へ向かう道で見つけた洋食屋さんで キミはお子様ランチのようなプレートメニューを食べ、ボクは、奮発の肉料理。
テーブルの上には、ジンベイザメのぬいぐるみがボクたちの話題に入りたそうに見ている。
キミと過ごした一日。
部屋から外に出かけて、待ち合わせして、ちゃんと会えて 過ごした時間。
ボクは、電車に揺られ、普段見かけない景色を眺めた。乗り合わせた人を見ていると 人間ってまんざら悪くないなって思った。
水族館で、魚だけじゃなく、水辺の生き物に出会った。生きものってなかなかいいなって思った。
そんなありきたりのようなことを感じることができたのも 目の前にいるキミのおかげだなって思うボクがいる。
なんてことを思いながら、食べていると、キミがフォークの先に何やら刺して構えてる。
此処で あの『あーん』はやらないでくれよ。
「どうしたにゃん?」
それを頬張るキミを見ながら いや、なんでもないと笑みを浮かべ 首を横に振る。
ただそれだけなのに……。
幸せをボクは感じるのだった。
― Ω ―
作品名:ボクとキミのものがたり 作家名:甜茶