㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第2話 ㊙ ビーナスの森
1話 第一歩
大金星山(だいきんぼしやま)の裾野に広がる樹海、その広さはなんと約300平方キロメーターもあり実に広大です。
『㊙根暗(ねくら)出る樽(たる)渓谷』を訪ねてから1週間後、その樹海が消える位置にある小さな町・金星町、そこのコインパーキングにSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)を停めました。
SUVと言っても、これからも未来ワールドへの訪問は続くであろうということで、ヤッチンが急遽購入した20年落ちのボンボロボンの車。そのドアをギギギギと押し開けて、私たちはその地に降り立ちました。それは樹海の中に存在するとされる『㊙ ビーナスの森』、そこへの第一歩であります。
おっと、紹介が遅れました。その私たちとは……、今は奈那旅行社の可愛い社長・奈那さん。かつ投資しか興味がない町の相場師・山岸ことヤッチン、そしてヤル気薄弱のサラリーマンの私・洋一です。別称ヨッチンと呼ばれてます。
私たち三人は学生時代の無銭旅行同好会の仲間でした。そして卒業7年後、奈那さんの旅行新プランの試行のために再会しました。そして1週間前にプラン1の『㊙ 根暗出る樽渓谷』を訪問するために集合したのです。
あっ、そうだ、もう一匹いました。そやつは『㊙ 根暗出る樽渓谷』から連れ帰って来たAIロボットの『露払いの助』です。
という事情の果てに、三人と一匹で『㊙ ビーナスの森』への第一歩を踏み出したのであります。
作品名:㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第2話 ㊙ ビーナスの森 作家名:鮎風 遊