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照る日曇る日

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あの時は晴れていた その1


まるで雲の上から見下ろすような下界、通り過ぎた過去。
思い出せる限界の景色は晴れていた。
私の周りには温かいものに満ちていて、多分物心つくまでは幸せに過ごしていた。

少なくとも近いようで他人、傍にいても親族と言うだけの存在。あの人たちは一体自分にとってどんな人たちだったのだろう。わが家に棲みつく大勢の人たちは母のすねをかじり、迷惑をかけながら後ろ足で砂をかけて消えて行った。

作品名:照る日曇る日 作家名:笹峰霧子