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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの9

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9-1


優太は知秋が高校に入る直前に住んでいた一戸建ての前に立っていた。庭には丁寧に手入れがされた花が咲き、とても綺麗だ。その家に現在住んでいるのが男性ひとりだと思う人はいない雰囲気を醸し出している。
意外な訪問者に竜也は固まった。
「どうしてここに?」
竜也はデニム素材のエプロン姿、右手には庭の手入れをしていたため、摘み取った枯れた花を持っていて、キョトンとした表情をしていた。
「昔いただいていた知春さんの手紙に書かれていた住所を元に来ました。」
中川優太はひとりで天野宅に訪れた。
「知春は今ここにいないが…。」
「知っています。今の知春さん宅に何回も行っているので。」
「え…。」
竜也は娘に彼氏の紹介を受けたような、そんな表情で優太を見た。
本人睨んでいるつもりかも知れないが、ふわふわした髪に柔らかい丸みを帯びた顔立ちが、凄みというものから程遠く、効果がなかった。おまけに手には枯れていても詰んだばかりの花が顔を出している。
「じゃあ、誰に用があってきたんだ?」
「天野先生に用事があってきました。」
「私に?」
竜也は驚くと一瞬悩んだが、優太を中に入れることにしたらしく、
扉を大きくあけ、中に入るように促した。