人間模様
その3
男も女も30代は大人としての人生が最も輝く時代だ。
女は次第に円熟味を増し、パートナーもお互いが満足している。だが、そんなとき若い時に別れた人の思い出は消し去られているのだろうか。20代にすれ違って消えた仄かな恋慕がふと頭を掠めたりしないだろうか。
それはお互いのやりきれないすれ違いを感じる瞬間の悪夢だ。
もし、あの人だったらこんなとき多分こんなことにはならなかったに違いないなどと、ありもしない妄想の中で過去の人との幸せな生活の夢を見る。
これから大事な子育てが加速していくというのに、女はそのことが自覚できない。子供達は学校でいじめられ、又いじめを犯し、何事か起こらなければ親は何も気づいていないのだ。