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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
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足つぼマッサージ(続・おしゃべりさんのひとり言147)

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・・・ここでちょっと脱線しますが、僕には3人の整体師、整骨医、鍼灸医の知り合いがいます。また妻の弟もマッサージ治療の店を経営しています。そして彼らは口をそろえたように『人体の神秘』を説きます。
「こことそこは繋がっている」「ここを押す方が薬より効く」「ツボの刺激が氣の流れを良くして」等々。
足の裏のツボは、全身の器官に繋がっていて、そこを触ることで、体のどこが悪いか分かるって理論のようです。確かにこのような研究が東洋医学ではされていて、鍼灸治療などにも活かされていますよね。
事実、長い研究の歴史で、そう言った事例が観察されて来たんでしょうから否定はしませんが、科学的根拠ってどれくらい証明できているのでしょうか?
そんな東洋医学の発祥の地は中国だと思うんですが、そこでの体のツボごとの効果と、台湾、韓国、日本でそれぞれ、各ツボの効用に違う認識があるそうです。
国によってツボの効果が違うなんて、どういう事なんだ一体?
「科学では証明できない神秘がある」とまで言ってしまうとオカルトの分野になってしまいますし、占いにお金を払うのと同じレベルの治療のような気がするんですが。

でも反対に考えて、足裏を押して体の悪いところが治るなら、こんな便利なことは無いでしょう。
これをある種の商法として捉えると、手っ取り早く簡単な健康維持法として宣伝できます。
現代ではそんな宣伝しなくても、いつの間にか民間に根付いてしまっているので、もはや「詐欺だ」とか言う人は一人も存在しない状況なのかもしれません。
冷静に考えてですね、足の裏が物理的に全身に繋がっているのは一目瞭然ですけど、(その機能が影響するような繋がり方がある)って考えると、確かにその目の付け所は面白いと思います。
例えば、胃もたれがする人に、その該当箇所の足裏をマッサージすれば、痛みに耐えるために腹筋に力を込めていたことで、その後食欲が増すとか。腰痛がひどい人がそのツボ押しに耐えると、解放後の脱力感で患部が楽になったと感じるとか。疑わしくも、ありそうな気もしてきます。
これには肉体の機能以外の、精神的な何かや錯覚のようにも思いますし、(この延長線上で効果があったように感じてるんだろうな)ってのが、僕の見解です。
脳に繋がっているツボを強く押すと、天才になる。そんなツボまで存在してればいいですけどね。

体の悪いところが、足裏に指一本で治療できるなんて、やっぱり僕には信じられません。
それは、足裏マッサージの激痛による経験から、ある種の苦手意識を持ってしまっているからだと思いますが。
一方、足つぼマッサージを楽しめる人には、この僕の感覚はひねくれているようにしか受け取れないでしょうね。そんな、多少我慢してでも受ける価値があるって考えている人には、痛みによって、逆に体が悪くなるって発想はないのかな? 僕はむしろこっち側を強く懸念しているんです。

僕があの激痛のマッサージを受けた日、ホテルに戻っていつものフロント嬢に「マッサージに行ってきたよ」って言うと、顔を真っ赤にされた。
どうやら、エッチなやつのことだと思われたみたい。
「良かったですか?」とニヤニヤされたんで、(あなた、そっちを紹介してたんかい!?)って思ったけど、
「その足つぼマッサージのせいで、今すごく体調が悪い」って話すと、
「私は気持ちいいですよ・・・?」と真顔で言われたのが忘れられないよ。


     つづく