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まもなく時効

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39〇八神家
   文子と一楓リビングにいる。漣が帰ってくる。
漣「ただいま」
文子「おじいちゃん、またどっか出かけたみたい」
一楓「転倒するから危ないよ」
漣「おばあちゃんの病院行ってるのかな?」
文子「それならバスで行くでしょ?」
   インターホンが鳴る。文子玄関に向かう。文子ドアを開ける。霧島と吉
   永が玄関に現れる。
霧島「横浜県警です」
文子「ああ、この間の」
霧島「例の写真のことでお話がありまして」
   文子、一楓、漣黙っている。
霧島「黙ってるということは」
一楓「ないです。写真なんてありません」
漣「あのホームページは加工したっていうか」
霧島「お兄さんお名前は?」
漣「八神漣です」
霧島「漣君。あのホームページは君が作った、ちゅうことで間違いないですか?」
漣「ええ、まあ」
霧島「今もそのホームページは見れますか?」
漣「全部削除しました」
霧島「削除?なんでまた削除を?」
一楓「そりゃあ、おばあちゃんの写真、あんなところに載せるわけないし」
霧島「おばあちゃん?先日会ったおじい様の妻の写真だったんですね?」
   文子、漣、一楓黙っている。
霧島「おじい様は確か、そんな写真はない。あれは孫のいたずらだ。そんな写真は存在せんと、そう言っとりました。間違いないですね?」
文子「言ったと思います」
霧島「そんな写真は存在せんと」
文子「ええ」
   漣走っておばあちゃんの部屋に行き、写真を捜す。
一楓「漣、どうするの?」
漣「もう駄目だよ。刑事さんに見せるしかないよ」
   霧島漣の方に歩み寄る。
一楓「漣」
   漣、箪笥の中の写真を捜している。
漣「あれ?」
文子「どうしたの?」
漣「写真がない」
一楓「えっ、写真が?」
   一楓も箪笥の中を見る。
一楓「本当だ。昨日まであったのに」
霧島「やはり写真はあったんですね。いったい写真は今どこに?」
文子「おじいちゃんが持っているんじゃない?今朝、箪笥をいじっていた」
霧島「おじいさんは今出かけてるんですか?デイサービスかどこかに?」
文子「父はそういうところは行きません。ああいうところは年寄りの行くところだって、自分も年寄りのくせに」
霧島「じゃあ、どこへ?」
一楓「それが……」
文子「勝手に何も言わず出ていくもんだから」
   霧島と吉永顔を見合わせる。
吉永「おじいさんの行きそうなところは?どこか見当つきますか?」
   文子、一楓、漣黙っている。
霧島「なんでもいい。行きそうなところ」
文子「残念ながら私達には……」
漣「グラビアカフェじゃない」 
吉永「えっ?」
漣「おじいちゃんグラビアカフェに行ったんだよ。この間カードあったじゃん」
吉永「そんなグラビアカフェなんて、おじい様が行くわけ……」
霧島「そのグラビアカフェってのはどこに?」
漣「秋葉原にあります。友人がよくそこに行くって。入ったことはないけど外からは。場所は分かります」
霧島「漣君と言ったね。今からそのカフェに案内してくれはりますか?」
   漣と霧島と吉永パトカーに乗る。
作品名:まもなく時効 作家名:松橋健一