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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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蝶の羽ばたきで桶屋が儲かる?(続・おしゃべりさんの…141)

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蝶の羽ばたきで桶屋が儲かる?



★風が吹けば桶屋が儲かる

 風が吹くと埃が立つ。(だろうな)
  それで埃が目に入って失明する人が多くなる。(のか?)
   すると聴覚を使って三味線で生計を立てる人が増える。(かなぁ?)
    その三味線を作るために猫の皮が使われる。(キモッ!)
     やがて猫が減少してネズミが蔓延る。(かもな)
      そしてネズミが桶をかじる。(そう?)
       結果として桶の需要が高くなる。(それな!)
        だから桶屋が儲かるという話。Σ( °o°)

う~ん、無理がある。
これはある種の例え話で、実際に風が吹いた後の事象を追って観察したわけではないでしょう。現実にそう証明されるはずもないのに、慣用句として広く浸透しています。

このセリフを吐く人、結構多いですよね。
僕が吐くと表現したのには意味があって、それを口癖のように言う、残念な人達が周囲にいるからです。
結果や完了までの道筋は見えてないのに、なんとなく解ってるふうに言ってるだけで、
「何してんの? 今それ必要? 急ごうよ」って危機感持って促しても、
「いや意外に、風が吹けば、で」とか奇跡を信じ、行動を改めようとしない人。
または、手を抜いて、当然な結果になったのに、他に気付かない要因が作用したかのように、「風が吹けば、か」とか残念がって言う人。
一般的には、予想もしない結果になってしまった時に、自分を慰めるようにこの表現を用いることも多いようです。
でも原文は「儲かる」って言ってるし、本来マイナスの結果にはそぐわない慣用表現のはずですが、実際には皆諦めたように「風が吹けば何とやら」と。
つまり、見通しの甘い人がよく使う、ポジティブふうに言い訳しただけの、ネガティブな使用法になってしまっています。
江戸時代に書かれた十返舎一九の『東海道中膝栗毛』にも、風が吹いたので桶を売ろうと投資して大失敗するエピソードが書かれていましたよね。
やっぱり風が吹いて桶屋が儲かるって因果関係は証明できないし、懐疑的に扱われることが一般的なようです。
でもこれを前向きに捉えようという人も多く、海外にはこういうことを真面目に研究する人もいるようです。
例えば・・・

★バタフライエフェクト(バタフライ効果)

アメリカでは、「ブラジルでの蝶の羽ばたきは、テキサスで竜巻を引き起こすか」という言葉がその発端となり、「非常に小さな出来事が、将来予想もしないような大きな出来事につながる」という理解で、ビジネス用語としても定着しています。
この言葉の方が、物事を見極めたり慎重に進めるために戒め的に扱われていて、比較的ポジティブな意味合いで使用されます。
でもこれを検証しようにも、蝶の羽ばたきから竜巻までの中間のストーリーってあるんでしょうか?
いくらネットで探しても、その二つの因果関係を結び付ける具体的エピソードはヒットしませんでした。(知ってる方がおられたら、是非教えていただきたいです。AIに尋ねたら、適当なストーリーを創作してくれましたけど)

だけど、『ネズミの桶屋』と『蝶の竜巻』、この二つのエピソードを同義語として説明していることがよくあるようです。
多分・・・
 ブラジルで蝶が羽ばたく
  すると微風が起こる
   風が吹くと埃が立つ。
    埃が目に入って失明したら三味線が・・・んなバカな。

冗談はさておき、表面的な意味合いだけを追えば、二つは同じような慣用表現かも知れませんが、本当は全く違うと思います。
風が吹く話から桶屋が儲かるまで、具体的なストーリーが想像できるけど「実際はその通りに行くはずないよ」って考える人が多いように、「だから、やめた方がいいよ」っていう注意喚起につながる。
一方、バタフライ効果は「なんかよく分からないけど、そうなるのには意味があるかも」ってことでしょ。「だから、慎重に進めようね」っていう注意喚起につながる。
やめとくか、やろうとするか、正反対のモチベーションだ。

僕ならネズミの桶屋より、蝶の竜巻を信じたい。
こんな事を考えてると、因果関係の不思議に答えが出せないこともある。
ビジネスでもプライベートでも、(なんでこうなるんだろ?)と不思議に思うことがよくあって、STOPしてよく考えるようにしています。
すると、まったく因果関係がないようなことで問題に気付けたり、立ち止まったタイミングで幸運と出会うってことがよくあるんです。次のように。