甘党の限界(続・おしゃべりさんのひとり言133)
話を戻します。
家に着くなり、クタバさんは僕らにまた、小さくカットされたバクラワを用意してくれていました。もう悪夢です。
僕は失礼に思われないように、笑顔でバクラワを頰張りました。嶋君も今回は断らずに、がんばって2~3個食べました。ジョンも苦しそうに食べています。でもサイズが小さく量は大したことないので、なんとか3人はそれを乗り越えましたが、そこにニメル君がカップを持って来てくれました。それがブラックコーヒーであることを願うのですが、もうお解りですよね。
嶋君は一番にそれを口にしました。そしてパニックになっています。それを見てジョンと僕は顔を見合わせ、諦めるしかありません。
そのカップの中に、黒っぽい液体が入っていますが、冷たいんです。
(アイスコーヒーか? 珍しいな)と思い、一口飲むと、僕の脳みそもパニックになりました。
(なんだこのコーヒー)そう思って暫く考えました。そしてようやくそれが何かわかりました。コーラです。舌が甘味に殺され、全く味を感じないコーラでした。
その後、メインの夕食に移った訳ですが、招待客3人はお腹どころか胸までいっぱいの膨満感の中で、ラムステーキを500グラムほどを食べさせられました。
その時はオリーブのピクルスと、ワインも飲ませてもらったのでなんとかなりましたが。
そして、最後にまたバクラワがデザートに用意されていたのですが、それはもうお腹いっぱいという事で、遠慮させてもらうことが出来ました。
アラブのスイーツは、罰ゲームというより拷問です。
因みにテルアビブ市内のスーパーでバクラワを買って、日本の仕事仲間へのお土産にしてやろうと企みましたが、それは甘さ控えめで大人気でした。
つづく
作品名:甘党の限界(続・おしゃべりさんのひとり言133) 作家名:亨利(ヘンリー)