三峡ダム下見帳
エピローグ
アポなしの気楽な一人旅だったので詳細な報告ができず概要を述べるにとどまった。メモや工事写真だけでは現地の状況がなかなか伝わらない。この報告書の欠陥は現地でのヒアリングがなく、工事関係者や地域の人達の生の声が聞こえてこない点である。当初、三峡ダム見聞録とタイトルをつけていたが「聞」の部分が欠けていることを考慮し三峡ダム下見帳に変更した。また、内容からしても下見とする方がふさわしいと思われる。
ヒアリングを成功させるには聞き取り者へのアポや通訳が必要となるので事前準備が大変になる。それでも記者魂で飛び込みで聞き取りをすればよいと思うが、語学力や中国での調査ならではの難しさも加わってくる。そんなわけで内容も面白さも中途半端なものにならざるを得なかったこと、さらにメモと記憶に頼るあまり一部正確さに欠ける点があることをお詫びしたい。
作品名:三峡ダム下見帳 作家名:田 ゆう(松本久司)