(前編) 黄金山基地の未確認生物たち:あんたには俺がいるだろ
ここまでの私の話に耳を傾けていた娑羅さんは、これは女性特有の勘なのか、「浩二とマーマー姉さん、結構お似合いかもよ、……、それで直樹は二人をどう思う?」と私の顔をテーブル越しに覗き込んできました。
私はなぜ隠しビデオに映り込んだかの説明途中で、前のチンチンの話しに比べあまり盛ってはないのですが、娑羅姫はマーマー姉さんと浩二の話しにヤケに興味津々です。
女性とはなんと勝手な、だけど男女とはそういうものなのかと理解出来たか出来なかったかは私にはよく解りませんでした。
だけど、とりあえず「その通り、お二人さん、グッドカップルかもな」と返しました。
すると娑羅さまはしみじみ「いいなあ」と一言。
私は思わず「おいおいおい、あんたには俺がいるだろ」と言いそうになったその時、娑羅さんはちょっと寂しそうに呟かれたのです。
「直樹はまだ覚悟が出来てないしね」と。
そして今度はニッコロリし、「さっ、その後を語られよ」と催促されてきました。
私は「もう訳分からん!」と叫びそうになりましたが、ここは我慢して、黄金山の次の展開の話しを続けたのです。
つづく
作品名:(前編) 黄金山基地の未確認生物たち:あんたには俺がいるだろ 作家名:鮎風 遊