(中編) 黄金山基地の未確認生物たち:やっと先が見えてきた
彼ら、そして彼女たちはその内ここで伴侶を見つけ、その子供達は宇宙に羽ばたいて行ってくれる事でしょう。
もちろん重点的に進めてきた核融合発電、これは地球に多くの小さな太陽を作る事です。
こにより化石燃料を燃やすことは徐々に少なくなってきました。
また地震や噴火、そして台風も、その発生を高度な量子コンピューターにより予測し、その過剰エネルギーを事前に緩やかに解放させてしまう。
その技術も日々醸成され、成果が出つつあります。
さらに最も大きな脅威、それは巨大隕石の落下です。
これも高度な宇宙技術で、その軌道を変える事を学びました。
これで万々歳です。
まことにゆっくりではありますが、この地球はやがて平安時代、『春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、、……』の自然を取り戻すことでしょう。
『Back to the Heian period』プロジェクトをスタートさせて10年、やっと先が見えてきた今日この頃でした。
が、――。
つづく
作品名:(中編) 黄金山基地の未確認生物たち:やっと先が見えてきた 作家名:鮎風 遊