(中編) 黄金山基地の未確認生物たち:やっと先が見えてきた
されども次の方策に力を入れていこうと決めました。
温暖化は核融合発電でCO2を排出させない。
地震、台風、噴火等の自然災害は高速量子コンピューターによる解析、そしてその結果により異常エネルギーを安全に事前解放する。
かつ巨大シェルター都市を建設等々。
そして地球上の大自然を決して壊さず、あくまでもあるがままで保護をして行く。
以上のような方向で一応決まりました。
しかし、具体的にどのように進めて行くかが問題です。
基地内で議論を尽くしました。そして私たちが結論した事は、1千年前の自然、『Back to the Heian period!』のプロジェクト推進のためにまずは優秀な人材を増やそうと結論しました。
そのために黄金山基地と女王の奇っ怪山の生家を繋ぐトンネルを復興再開する。
そして生家敷地内に『バックツー平安自然塾』を設立することと致しました。
ただし、塾生は絶対に基地情報は漏らさない。この規約を前提として、先生や講師は5000年先を行く高度AIロボットたち。
生活は全寮制で無料。もちろん卒業後は基地のメンバーとして『Back to the Heian period!』プロジェクトに参加して頂く。
このような計画を立てたのですが、ここで問題なのはやっぱりその資金です。
しかしながらここでKASIKO星人が提案してくれました。
「我々は宇宙の遠い距離を移動し、この黄金山を選び、ここに地下基地を建設しました、それはなぜだかわかりますか? 実は……、ここの地下には無尽蔵の金鉱脈があり、手付かずで眠ってるのです、それを掘り起こす時がやっと来ましたね、それを資金と致しましょう」と。
「えっ、えっ、えっ!」
娑羅クイーンも浩二も、私を含めた地球出身の基地人はまさに青天の霹靂。
黄金山、それは名前通り黄金の山だったんだ。とにかく大仰天です。みんな身体がワナワナワナ、ワナワナワナと震え、それが10分以上も止まりませんでした。
娑羅女王はただただ沈黙されていたのですが、突然キリリッと背筋を伸ばされ、高らかに仰られたのです。
「みなの者、本日ただ今より、――、『Back to the Heian period』、そう、『平安時代に戻ろう』プロジェクトの開始ぞ、皆には異論がないと心得た、よろしいか、――、それぞれの業務に励め!」と。
これに対し、KASIKO星人、HYOKORI生物、AIロボSOUMEIたち、もちろん私たちもただ一言、「御意!」と。
そしてほぼ直角に腰を折り曲げたのでありました。
作品名:(中編) 黄金山基地の未確認生物たち:やっと先が見えてきた 作家名:鮎風 遊