小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

(中編) 黄金山基地の未確認生物たち:やっと先が見えてきた

INDEX|1ページ/17ページ|

次のページ
 

1話 ビビンバ ~ ドドンパ


 マーマー姉さんが手配した小型飛行体に乗って、約300mほど上昇。その後基地ドームの壁から突き出たポートに実に簡単に着地してね、それから廊下を30mほど進んだかな、そこになんと黄金の扉があったんだよ。
 こちとらはビックリだったけど、彼女は表情一つ変えずにリストフレンド・ナンジャラホイをちょいちょいと操作して扉をスーと開かせたんだよ。
 だけどそこにまた廊下が。
 そこに進むと後方でそのドアーはぴしゃりと閉まって、「おいおいおい、閉じ込められたぞ」と俺が不安で呟いたんだよな。すると浩二は「これは二重の黄金ドアーだよ、お前、知らんのか」と偉そうに言うんだよな。
 まっ、俺は浩二ほど冒険歴がないからね、「ふうん、そうなのか」と後を追っ掛けて行くと確かにもう一つ扉があって、同じようにシャーと開いたよ。
 マーマー姉さんはさっさと外へ出て、「男(お)の子たち、基地より出(い)でなされ!」と手招きがあってね。ちょっと恐かったけど、意を決して出てみると、「なーんだ!」だよ。
 そう、そこは木々が生い茂る単なる山の中だったんだよ。
「黄金山にようこそ」、マーマー姉さんはそう言ってくれはるけど、ただの山。
「な~んだ」と呟きながら、ちょっと目を懲らすとそこに1本の獣道が。それはさらなる山奥へと続いているようだったね、普通に。
 だけどね、浩二は違ったんだよな。テンション上げて「マーマーお姉さま、お願いです、黄(おう)・金(ごん)・《まほろば》の・虎が住む虎の穴へ是非案内して下さい」と呼称を姉さんからお姉さまに格上げして擦り寄ってやがるの。
 ホント、こいつの未確認生物への情熱は半端じゃねえなと再確認に至ったよ。だけどマーマー姉さんは実に冷静だったね。
「浩二君、はやる気持ちは分かるけど、君はまだ雑菌だらけのバッチーな人間なの、基地で1ヶ月間の身体(しんたい)クリーンアップが先です、今日のところはこの辺まで、それよりね、山烏(やまがらす)・ジッチャンの弟子になるのでしょ、その山守りの仕事のための、土壌や木々、そして風や温度湿度の確認をしなさい」
 これに浩二は返す言葉がない。「まことに先生の仰る通りでござんす」と頭をボリボリ掻いてやがんの。
 そんな時にひょっこりと目の前に現れたんだよ、奇妙な連中が。
 だって一人は滅茶苦茶ヨレヨレのダークスーツを着た……、そうだね、疲れ切った銀行員風の男が。そしてもう一人はいつもツンツンしてそうなオフィスレディー風な……。