(後編) 黄金山基地の未確認生物たち:私の一番は魔界平娑羅
3話 ご飯の《お連れ》
パッパラ、パッパラ、パッパラパ~ン、~~~。
黄金山の地下にある白鳥座星人の宇宙基地ドーム、その中央にそびえるトンガリ城、その最上階のホールで凱旋パーティーが開催されました。
壇上にはKASIKO星人の自治会長さんが。
そして耳や鼻先をいつもよりピカピカと光らせてキックオフ。
「この星、地球をむしゃぶるであろう星シャブリを、娑羅女王のご飯のお供・ナオキとマーマー姉さんの穀潰し・コウジが我々の予想に反してですが、……、見事退治し、ここに凱旋されました、いずれにしてもこれにて地球はしばらく生き延びることが出来るでしょう、ご両人の満身創痍の働き、そして私たち一同の幸運に感謝したい、それではご唱和を、――、乾杯!!」
これに合わせ、KASIKO星人、HYOKORI生物,ロボSOUMEI、総勢200体が、もちろん山烏(やまがらす)・ジッチャンとバッチャンも……、「カンパ~イ!!」
これに私は、浩二が白鳥神社の賽銭箱に100円玉を放り投げたところから始まったこの顛末、「あ~、これが俺たちの人生だったのか」と思い入れながら、「ありがとうございます、これからも黄金山基地、そして地球のため粉骨砕身働かせてもらいます」と頭を下げました。
そんな時に娑羅女王がそそっと私の横に来て、胸に顔を寄せながら、かっての娘時代の魔界平娑羅の表情で話されたのです。
「黄金山基地、地球のためって? 忘れないでね、一番は……、私のためでしょ」と。
私はドキッとしましたが、まったくその通りで反論はありません。
そこで私は皆の前へと進み出て、「先ほどの凱旋挨拶、ちょっと言い直します、私の一番は、魔界平娑羅、いえ、娑羅女王のためにが、……、一番であります!!」と。
これにKASIKO星人トップの自治会長が「これで直樹はご飯のお供から――、ご飯の《お連れ》に格上げとなりました」と。
私はお供とお連れの違いはハッキリとは分かりませんが、なんんとなく嬉しい気持ちで一杯になりました。
さてさてと、次はどんな宇宙未確認生物に出会うのでしょうね。
おわり
作品名:(後編) 黄金山基地の未確認生物たち:私の一番は魔界平娑羅 作家名:鮎風 遊