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元ソーリ暗殺未遂

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 実は、このことは黒川弁護士が、分かっていることだった。彼は、表には出ていなかったが、かつて、山根元ソーリ関係の仕事を裏で請け負っていたのだ。
「決して表には出せないが、それだけの報酬で雇う、一種の黒幕的な人物だった。別に驚くことはない、どの政治家だってしていることではないか」
 ということであった。
 そもそも、これは後で分かったことだったのだが、津山も、保母さんの息子も、実は、二人とも、
「元ソーリの子供」
 だったのだという。
 これは、津山の方は知っていたが、保母さんの息子の方は知らなかった。実は二人阿知り合いで、兄貴は津山の方だったという、
 なぜか、弟が、それとは知らずに、父親を憎んでいて、殺害を考えていた。ただ、性格からして、
「まず、実際に殺すことはできないだろう」
 ということは分かっていたということだが、逃げることはできないと思われた。そこで兄貴が何とか逃がす工夫をしたのだ。その時に、顧問弁護士に相談をしたのだという、
 弁護士の方は、すべてを知っていた。
 というより、津山に言われてすべてを調べたのは、黒川弁護士だったのだ。
 だから弟が逃げられるようにしたのも黒川で、津山に自首を進めたのも、黒川だった。
「津山さん、あなたは犯人なんじゃないから、無罪ですよ」
 と言い切った。
 それは当たり前のことであり、彼が自首することで、今度の事件を混沌とさせ、何とか、時間が解決するように持っていこうというのが、黒川弁護士の考え方だった。
 ただ、一番悪いのは元ソーリで、息子たちも、母親も被害者だった。記憶を一瞬失がったが、彼は最後に記憶がよみがえってきた。
 しかし、それは二度と引っ張り出してはいけないもので、自分に対しての警鐘だということを思うと、元ソーリは政治の世界から身を引くことになった。
 政治家に倒せなかった、元ソーリを、息子たちが懲らしめたというお話だったのだ……。

                 (  完  )
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作品名:元ソーリ暗殺未遂 作家名:森本晃次