認知症に遠い心の持ち方
その12最終章
入学式の日。前々からその日のライブの時間を教えてもらっていたので、どきどきしながらパソコンで私も見ることができた。まるで自分も参列しているような気分だった。
長い時間だったので私もぐったりした。あとから説明会にも出席した子供はさぞ疲れただろう。
娘は子供を寮に入れて神戸の自宅に帰った。その後、電車の乗り方や生活のことでスマホが離せないほど質問をしてきたらしく、娘はぶつぶつ言ってきた。
難儀やなあと思いながら、私はもう関わることをやめた。
数日後部活に入って楽しいらしいという報が入り、私は写メールを何度も見てわくわくした。
完
作品名:認知症に遠い心の持ち方 作家名:笹峰霧子