100円のメガネ(続・おしゃべりさんのひとり言125)
100円のメガネ
娘の視力がA判定なんだと。
「え? Aって何? BとかCもあるのか?」
「あるよ」
「Aってどれくらいいいの?」と訊ねる僕。
「一番いいよ」嬉しそうな娘。
「2.0くらい?」
「え? 2.0て何?」
彼女が小学校の時、発育測定の結果を聞いた時の会話です。
僕は視力検査なんて、数字での結果しか聞いたことなかったのに、今の学校では、視力はA,B,C,Dによる判定(370方式)をするんですってね。
僕が知ってるのは、Cみたいなマークの切れ目がどの方向にあるかを答えるやつ。
その切れ目の大きさ(幅)が、どの細かさまで認識出来ているかで判定されます。
僕が今も年一回受けてる健康診断でもこの方式です。
運転免許の更新の際にも、この検査を受けますよね。
この方法には疑問があって、0.1~1.0までは、0.2、0.3、0.4と0.1刻み判定なのに、1.0以上は、1.2、1.5、2.0と急に飛び飛びになるでしょ。
これなんでかなぁ? しっかり調べてほしいのに、いい加減だな~。
多分、1.0以上のCマークくらいからはあまりに小さすぎて、1.1なんかじゃCの切れ目に差がほとんどないからかな。
じゃ、娘が学校で受けてる視力検査って、(一体どんなもんなんだろう?)って気になるでしょ。
早速気になることは調べましたが、370方式とは:0.3、0.7、1.0の3種類の大きさの視力表だけを使って検査する方法のようです。
つまりA(1.0以上)、B(0.7~0.9)、C(0.3~0.7)、D(0.3未満)というグループに分けて判定を行います。
結局Cマークを大雑把にかいつまんで、たった4段階で判定するんですね。これの方がいい加減だね~。
これも昨今の『児童間に差を付けない』という、学校教育の方針のようです。
A,B,C,Dそれぞれのグループ人数を多くしておくことで、疎外感、劣等感を無くさせようってのでしょうか。
ま、その方針が良いか悪いかは別にして、僕が気になったのは、最高のA判定が、1.0以上の視力だってことです。
僕の小学生時代、視力1.0って平均点(真ん中)くらいで、メガネは必要ないけど結構目が悪い人っていう印象でした。
最近の子はもっと目が悪いんでしょうか?
僕は学校での視力検査では毎回2.0の結果でしたが、高校の時、眼医者で測定したら、3.0がギリ見えるか見えないくらいだったので、視力2.5くらいだって言われました。
これは結構、目がいい方でしょ。
具体的に言うと、遠くの山の上に生える木の種類が、松か杉か広葉樹だとかくらいは判ります。それくらい判るって人は多いと思いますが、僕はそんな人より倍くらい遠い山のことを言ってると思ってください。
更にその枝にカラスが止まっているのも見えます。皆にそう言っても、見えない人は「嘘だぁ」と言って信じてくれません。
運転中に、はるか向こうの青い道案内標識もしっかり読めるので、交差点直前で行先に迷って車線変更に焦ることも無いです。
テスト中に3列~4列前の人の答案でも角度が良ければ読めますし、ボ~っとした顔してればカンニングがバレません。
乗ってた飛行機が、自宅周辺の空をバッチリ通った時なんか、妻が玄関から出て車に乗る姿が飛行機の窓から視認出来たのに、写真を撮っても、拡大したらぼやけてその姿は認識できませんでした。
夜空の満月のクレーターもしっかり見えます。クッキリです。これくらい当たり前だって思ってたら、最近iPhoneで撮影した満月を見て、「クレーターまで写ってる」って言う人がいたので、(皆見えてないんだ)って知りました。なんだったら僕は、アポロが立てて来た星条旗も見えそうです。(これは嘘です)
でも、見えてる世界が違うと、他人とは気付き方や考え方が変わります。つまり行動に違いが出るということに繋がるんですけど、早く出来るとか、うまく出来るかって結果にも差が付くんです。
妻も目がいいです。見える世界が同じだと、話す内容が理解しやすくなるので、お互い会話にストレスが無くなります。特に外出中に見えるものに関しては。
それで仲がいいと言うのは間違いない事実です。
作品名:100円のメガネ(続・おしゃべりさんのひとり言125) 作家名:亨利(ヘンリー)