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静岡のとみちゃん
静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑩「ゆるキャン△」聖地巡礼の旅

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■旅の二日目:「ゆるキャン△」の聖地巡礼をして帰宅


 朝食の準備には自信がある。インスタントだが、コーヒーを飲みながら作ったのは、6枚切りの食パン2枚で挟む「ホットサンド」、中身はしょう油味の玉子焼きとちょっと多めのベーコンだ。そしてコーヒーと野菜ジュース。MTさんはそれを美味しそうに食べていたのは、やはり嬉しい。そして、いい感じに腹が膨れた。

 今日はどこを走って帰宅するかだが、昨日は、清水漁港で昼食を取った以外は全て「ゆるキャン△」の聖地巡礼になっていたので、今日は、それを続けることに決めた。
 そうなると、絶対に外せないのは、「ゆるキャン△」の最初のシーンで、“リンちゃん”と“なでしこ”が出会った「本栖湖展望公園」で、本栖湖とその向こうに富士山が見える場所だ。雲が掛かっていないことを期待して、出発した。

 「南ア邑ふれあい広場」から県道を下り、R52との交差点を直進して、R300(本栖みち)に入った。直ぐに富士川を渡り、トンネルを抜けると、右の車窓からは下部温泉(しもべおんせん)のホテルが見えてきた。
 下部温泉は「武田信玄の隠し湯」というのは、どうも付会伝説(ふかいでんせつ)のようで、ほぼ30度のちょっとぬるい単純温泉の源泉だが、加温している。効能は疲労回復、外傷、火傷、リウマチ、神経痛に効くようで、戦国武将には有難い温泉だったそうだ。なので、信玄の話につながったのか。

 JR甲斐常葉駅(かいときわえき)近くの常葉バイパス沿いの“リンちゃん”の家を見てから、高台にある「本栖高校(旧下部中学校・小学校)」に立ち寄った。
 ここは「ゆるキャン△」のメンバーが通っていた高校で、校舎には入れなかったが、グランドに行ってみた。そこは、「野クル」3人の活動の場で、そのグランドから見える図書室で、“リンちゃん”が図書委員をやっていた。
 “リンちゃん”は、そこから「野クル」の活動を見ながら、「あいつら、何やっているのか」とつぶやくシーンが確か、何回かあったものと覚えている。
 ちょっと大袈裟だが、「ゆるキャン△」の登場人物と同じ空間を味わい、いちファンの「アラカン」のおじさん二人は、始終笑顔を浮かべていた。
 そして、校門近くに停めていた「ジル」に戻る際に気付いたのは、校門の前の小さな棚。そこには幾つかの松ぼっくりが入っていた。「ゆるキャン△」の中では、焚き火の着火剤としての立場だ。

 下部温泉あたりからは次第に上り坂になる本栖みち、途中にあった道の駅「しもべ」はリニューアル中のため閉館になっていた。
 しかし、飲み物の自動販売機だけは営業中で、それら自動販売機は、「ゆるキャン△」の大きなラッピングが施されていた。いいね!

 その先からはかなりの急こう配になり、ジグザグの上り坂が続く。富士川あたりからは多分700mほどの標高差があり、そこを“なでしこ”も、“リンちゃん”も、自転車でよ〜く登ったなあと感心したが、それはアニメの中でのこと。
 そういえば、“なでしこ”は中3の頃、姉の“桜さん”の指導の下、浜名湖を自転車で回る強制的なダイエットをさせられ、かなりのダイエットが進んだ。その時に体力が付いたと説明されていたことを思い出した。
 以前、ここを走った時は初冬の枯れ葉だらけだったが、今回は新緑の中を走ることができ、快適だった。

 本栖みちのピークの中之倉トンネルを抜けて右折すると「本栖湖展望台」だ。
 本栖湖にはカヌーが浮かんでいて、その奥の富士山は雲が掛かりそうだったが、ほぼ見える素晴らしい風景だった。少しだけ逆光気味だが、それもいい。
 1000円札の裏の富士山のデザインは、このから歩いて登った「中ノ倉峠展望地」からのものだが、ここからの風景の構図も申し分ない。

 駐車場の横の観光案内所に入って、本栖湖の湖畔の「浩庵キャンプ場」の様子を訊いたところ、予約はいつも一杯で、芸人のひろしやバイきんぐの西村も、なかなか来られないとのこと。元々、人気のあるキャンプ場だった上に、「ゆるキャン△」に登場したことで、予約が取れないほどの人気になったようだ。

 その先に公衆トイレがあり、ここまで自転車で登ってきて疲れた“なでしこ”が、その前のベンチで寝てしまい、“リンちゃん”がそれを見掛けたのが二人の初めての出会いで、「あれは確実にカゼ引くな」と“リンちゃん”がつぶやいた場所だ。

 その先の「浩庵キャンプ場」の受付の店に入った。数多くの「ゆるキャン△」グッズが並んでおり、ファンにとっては嬉しい場所で、さすが聖地だ。息子向けに、「ゆるキャン△」の箱に入ったほうとうを買った。

 店から出て、湖畔のキャンプ場に下り、水面から見上げる富士山の絶景を眺めた。
 湖畔には幾つものテントが並んでいて、それぞれが自然に包まれたキャンプ場でのひと時を楽しんでいるようだった。
 私もいつかは妻とふたりで、湖畔でのんびりしてみたい。その時、寝るのはテントの中なのか、「ジル」の中なのか、迷ってしまいそうだ。

 洪庵キャンプ場の受付の店の前の道はそのまま、本栖湖の東側の道路になり、湖を周回できる。
 そこを走ってゆくと、所々は1車線になるような道だったが、新緑のトンネルの中を走る場所もあった。ただ、道に張り出した枝と「ジル」の屋根に取り付けられたルーフベントカバーの接触が気になり、注意を要す運転になったが、幸い、擦ったりはしなかった。
 狭くて、左右・上下が気になる道ではあったが、路肩の木々の隙間から湖面が見え、お気に入りの道になった。

 湖の北岸にもキャンプ場があった。
 以前から、本栖湖には洪庵キャンプ場ではなく、広い湖畔のキャンプ場の記憶があったが、これまで目にすることがなく、他の湖畔だったのかとも思ったこともあったが、やっと巡り会った感じで、古い記憶と目の前の風景が一致した。こういうことは、他人には分からない、自分自身にとっての、ひとつの小さな喜びだ。

 そこからは、富士パノラマライン(R139)に入り、道の駅「朝霧高原」に入った。
 この駐車場には数台のキャンピングカーも含め、多くの車が停まっていて、富士山を一周するコースはやはり人気がある。ここで、妻への土産の「なま椎茸」と「ほうとう」を買った。
 昼食については、富士宮まで行って、「富士宮焼きそば」を食べようと、MTさんが言っていたが、道の駅の前に、その出店があり、そこでパックを買って、ベンチに座っての昼食になった。
 その時、朝霧高原の西側の天子山地(てんしさんち)にあるランチャ台からテイクオフするパラグライダーやフライトしている数機のパラグライダーが見えた。この道の駅の少し先に、パラモータースクールがある。ランチャ台までは、ミカン畑などに使われているような小型モノレールがあるらしい。

 道の駅からR139を南下すると、右の車窓からは、広大な「ふもとっぱらキャンプ場」が見え、そこには幾つものテントが見えた。

 更に下ると、「ドライブインもちや」があった。そこには展示施設「二輪車会館」があり、バイクが100台以上も展示されている。