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ショートショート まとめ

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ここまで持ってきたけれど



私は軽くなった身体を冷たい石の上に横たえている。そしてずっと私の心の中を占めている重いもの、後悔と懺悔の気持ちからも解放されるはずだ。

――私は小学生の時、畑から西瓜を盗みました。河原まで持っていって割って食べてみました。夏の陽ざしにあたっていた西瓜は生暖かく、血のようですぐに川に流しました。

――私は中学生の時、母のサイフから少しずつお金を盗りました。母が家計簿の前で首を捻っていたので、次の日に少し返しました。母は何度もお金を数えて首を傾げていました。

――私は高校生の時、道端に自転車を停めて、別の道を通って行くあの人をずうっと眺めていました。

「あ、これは別にいいか」と私は一息ついた。

――私は初めて出来た彼女に、いい思い出を与えてあげることができませんでした。

「おい、そんなことしかないのか」と別の私が突っ込みを入れる。

――私は打算で結婚しました。私は妻の財産が目当てでした。愛なんて毛頭ありませんでした。ん? 毛が頭にありません? そうです、カツラでした。そして同時に付き合っていた彼女を愛人にしました。

「おっ、調子が出て来たな」と私は吐き出す快感に酔いしれる。

――私は愛人に子供を産ませました。私は同じ日に双子でない自分の子供ができました。
私は愛人の出産の方にとんで行きました。