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到着した「床上手」のばかでかい箱を開ける。発泡スチロールのクッション材を取り出すだけで部屋が一杯になりそうだった。宝探しをやってんじゃないんだよ。ぶつぶついいながら、やっと本体を取り出すことができた。
それは思いの外重かった。色がピンク色で軽そうに見えたので余計にこたえた。あやうくギックリ腰になりそうだった。
取扱説明書を取り出す。そこには

　「安全にご使用いただくために」というタイトルで色々と書いてある。

ご使用にあたっては予期せぬ事故から貴方様の安全を確保するため、および本機の損傷を防止するために下記の警告および注意を必ずお守りください。

　「警告」だって？　おどかすなよと思いながら読み進む。

◎感電防止のため必ず接地してください。接地していない場合、感電の危険が生じ、身体に重大な傷害を及ぼすおそれがあります。
何々、あ、アースね。たしかコンセント口にあったはずだな。それにしても感電するような作りにするなよ。

◎装着作動中に眠ってはいけません。頭部が重くなりますので椅子から落下した場合、逆立ち状態になり起きあがれなくなる可能性があります。
確かに重かったなあ。あんなの頭に被れるのかな、まあ、後で試すとして、次はーと。

◎霊感の強い方は、背後霊様に了解をとってから使用してください。熱に弱い背後霊様が逃げ出したという報告があります。また霊感の無い方は、有る方に相談してください。
オイ、いいかげんいしろよ。怒るよ。

◎故障の場合は装着しないでください。
オイ、それだけかよ。装着中故障した時はどうすんだよ。俺はイライラし始めた。
　次は注意という項目だった。

◎本機は重量がかなりありますので、首の弱い方は使用しないでください。首の骨折の報告があります。また弱い方は鍛えてからご使用ください。
ふざけんな、このやろう。もっと軽く作れないのかよ。俺は怒りに手が震えた。