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彼女Ｍが怒りの表情で自分を睨みつけ去って行ったあと、Ｄは何がなんだか分からないまま自分の書いた【スキ】の前にしゃがみこんだ。なぜだ、何がいけなかったんだ。

Ｄは、その【スキ】の前に【大】という文字を指で書いた。いや、こんなことでは無いだろう。Ｍは何か重大な勘違いをしたに違いない。しかし、自分を見たＭの軽蔑して怒った顔を思い浮かべると、それを訊ねる勇気は出なかった。

ああ。分からない。Ｄは【スキ】の文字をかき回した。そして、その雪を口に含んだ。ちょっと甘くて苦い味がした。