色々な掌編集
雪に書いた告白
珍しく雪が降った翌日、薄汚れた色の町も雪に覆われ白く輝いていた。祝福してくれるような白い雪の中、Dは憧れのMとやっと初デートであった。寒いので暖かい缶コーヒーを飲み、木に積もった雪が奇麗だねなどと彼女Mと話しながら、人影もまばらな公園を歩いた。彼女は雪よりも雪を被った木々の風景にも負けず奇麗だった。
Dは、Mをますます大好きになっている自分の気持ちを伝えたかったが、照れもあって、なかなか言葉で伝えることができない。緊張し喉が渇くので、また缶コーヒーを飲む。
Dの緊張は極限に近かった。そして行動に出た。
「ねえ、ちょっと後ろを向いて眼を瞑っていてくれる」
Mは、さあ何のサプライズがあるのだろうと、素直に従った。