色々な掌編集
うむ!
かすかな実体を伴わないものを感じながら私は神経を集中する。来たかなっと思うが、それはまだ生まれでる迄には至らない。
そこまで出かかっている気がするのだがと、なおも神経を集中する。じれったい気持ちを抑え、自分を励ます。この先訪れる至福の時を思い浮かべて。
不定期に訪れるこの苦痛とも快感とも思える儀式。これが定期的に訪れる人はいいなあと思いながら、儀式は続く。
もう誰かに変わって欲しいという気持ちになることもあるのだが、それでは意味がない。苦痛と快感。まるで薬物中毒者かマゾヒストにでもなったような気もする。
時折、苦労もなくすうっと出て来た時の喜びもまた何とも言えない。優越感と誇りすら感じる。その実体がまた色々とあるのだが、他人はともあれ、自分では我が子のように思え、順位をつけることなどできない。
今回の周期は長かった。その前、ポンポンと一日に二度も出てしまったので、安心してしまったのだろう。気を許してはいけない。