小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

続・おしゃべりさんのひとり言/やっぱりひとり言が止めらない

INDEX|7ページ/133ページ|

次のページ前のページ
 

【番外編】妻のビジネス



 話が逸れたけど、妻の話でしたね。
 妻に火が着いちゃって、弟から来たビジネスを真剣にやるって言うんです。別に犯罪でないならそれでもいいけど、資金はどうする? ま、50万くらいあれば十分スタートは出来るけど、ほとんどの一般人はもっと少額から始めるらしい。でもその話をしっかり聞いたら、そんなゆっくりと少額でするような仕事じゃなさそう。(騙されてるかな?)
 ベントレーの女性の素性は、僕の妻の弟の奥さんの幼稚園からの親友の実のお姉さん。ややこしいけど、弟夫婦の親友の家族だ。まあまあ信用に値するレベル。
 しかもその女性は、5年前から外国でそのビジネスを始めていて、今じゃ本社の社長から声がかかるほどの世界的大成功者。今は大阪の中之島の2億円タワマン暮らし、今年から親子兄弟、家族全員でこのビジネスをやってるらしい。
 それで仲間集めしてるわけか。そのビジネスの実績から、今後まだまだ可能性があるって確信してるんだろうな。僕はその会社が(どんなもんなんだ?)って気がしていたけど、調べてみると結構優良な業績じゃないですか。と言うより将来性の点では、超が付くほど『高』となってる。しかも本社がシンガポールなんですよ。ここに僕ら夫婦の心が動いたのは事実。
 ちなみにそこの社長は、若い華僑(中華系移民)の男性。
 僕は日頃の業務の印象で、これからの時代は否応なしに中国が成長して、(アメリカの常識慣れした日本人には辛い時代が来る)と予想してた。中国の常識は、僕らからしたら非常識と思えることも多いけど、まさにそれが世界のスタンダードになろうとしてる。
 今までは僕も欧米相手のビジネスには魅力を感じてたけど、最近じゃどうしても中国相手に進めないといけない状況が多い。でも今は、アメリカ政権の都合で、僕らの中国顧客とのビジネスに制限がかけられたり、そんな顧客との関係が疎遠になったりしてるんだよね。
 バイデンさん、(邪魔しないでよ!)って思ちゃうわ。ホント。
 反面、中華系でも日本や欧米の文化風習に倣って、自らを成長させて来た人たちも多い。それがまさしく、華僑の人達だ。
 華僑と言えば、日本やアメリカ、カナダへの移住者が多いって思うけど、香港、マカオ、台湾をはじめとした中国国家の守備範囲にも、華僑の思想の方々が多くいらっしゃる。ましてやシンガポールなんかも例外じゃない。

 僕は妻に200万円渡した。これは車を買い替えようと思って貯めてた分。
 まあ、車買い替えても、5年も乗ればまた買い替えるから、よく考えたら『死に金』だよ。あと5年くらい我慢して、今の車を大事に乗ろうっと。その分を投資に回して、うまくいけばラッキーってことで、無くなっても、(どっちみち死に金ならいいか)って考えたんだ。
 妻は2月からベントレーの女性に相談しながら、うまく資金運用を開始して、翌日には上がった利益を回収する。それを繰り返して、その月の利益28万円。まあまあやるじゃない。
 妻が投資をする先で、ベントレー女性のビジネスを補強出来るってプランみたい。これなら運命共同体。これを大勢で協力しながらやっていくと、ネットワークビジネスみたいになるのかな?
 よくは分からないんだけど、この協力の仕方が華僑の習慣らしいよ。いつの間にか、華僑の一員に入れられちゃった感はあるけど、この先も世界中の華僑がこのビジネスに参加してきたら、きっとすごいことになるだろうって期待してしまう。
(ま、これ以上は、変なビジネスだったら後で困るので、詳しくは書きませんが、もし仮想通貨取引だったら、金融庁に登録した企業でないと違法だから、この辺の心配はしてたけど、仮想通貨でもなかった)
 妻はベントレー女性のコネもあってか、3月にオープンした日本本社の除幕式に招待されて、東京に出張してた。その後もビジネス頑張って、その本社に研修やらで招かれたり、大阪でセミナーがあったり忙しそう。僕はその写真見せてもらって、ホテルの豪華さや、会場規模の大きさに驚いた。これだけの人数が世界中から集まって来て、費用は全部会社持ちだって言うんだから。
「昼ごはんどうしてるの?」
「ホテルで食事が出た」
「新幹線代は?」
「立て替えて、後で請求出来る」
今のところ、追加の資金投入もまったく必要ない。僕の常識じゃ、考えられない。
 一応妻は、今も一般企業の契約社員なんですけど、サイドビジネスはOKという事でそんなビジネスに片手間で参加して、今じゃ余裕で会社(本業)の給料超えちゃってるし。
「なんでその企業、そんなに資金力あるの?」
色々説明されたけど、どうしても眉唾感をぬぐえなくって、外野の僕にはあまりよく分からなかった。
 ただ言えることは、中国ってのは、国が企業に対してのテコ入れで大量に国家資金を投入して、外国の企業よりはるかにいい条件で経営戦略を打てるというのが、僕が今まで経験してきた競争社会での中国企業の常識だ。これと同じように華僑も企業がコミュニティに投資して、参加者が一様に利益を出しやすいように、プランが作られていることが想像出来た。この点に気付けたことで(チャンスなのでは?)と思っちゃったんだよ~(汗)
 それで明確なのは、今年から日本に本社作ったばかりの企業だから、今のうちに幹部(?)になっといた方がいいに決まってる。でも僕の期待が負担になるといけないし、妻もうまくいかないこともあるようで、いつも悩みながらやってるみたいだけど、
「頑張れよ。女房」
目標は、投資した200万円回収どころの話じゃないんだろ・・・。