小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

続・おしゃべりさんのひとり言/やっぱりひとり言が止めらない

INDEX|6ページ/133ページ|

次のページ前のページ
 

【番外編】これからのビジネス



 今の世の中、投資(財テク)は必須だと思うんです。物価は上がるのに、収入は増えないし。これは日本経済のせい。
 世界の先進国じゃ、物価が上がるに連れ、どんどん年収も上がって行ったのに、バブル崩壊以降の30年、日本だけ完全に取り残されちゃってるし、今は台湾や韓国にさえ、平均賃金で抜かれちゃった。むかし台湾や韓国に出張に行くと、日本人の出張手当の額を聞いて、落ち込む現地スタッフが多かったのに、今は完全に逆転されてるんです。
 中国やベトナムから日本に出稼ぎに来てる人が、うちの事業部にも20人以上いるけど、これからは日本じゃなく、台湾や韓国に行くだろうね。そうなりゃ日本はおしまいだ。
 僕の事業部では最先端の半導体技術も取り扱って、これまでは日本の技術を『MADE IN CHINA』で生産させていた訳だけど、賃金が逆転したこれからは、中国の技術を『MADE IN JAPAN』で生産させていただくビジネスが伸びると踏んでいる。その一環で動き出してるのが、台湾の電動バイクの代理店契約をして、西日本での販売を開始したんだ。
 むかし僕が駆け出しのころ、いち早くパソコンの『DELL』の販売権を取ったり、デジタルフォン普及の際に『NOKIA』製の携帯電話の販売権を取ったりしていたけど、あまりうまくいった経験が無い。なんとなく時代の流れを取り入れただけで、大手から募集される情報に乗ってただけじゃ、個人にメリットなんてないんだよ。
 今回の電動バイクは、台湾の取引先からの情報で、『MADE IN VIETNUM』(ベトナムで製造)の台湾バイクを日本へ輸出したいって話で、東日本ではすでに販売開始出来たけど、僕らに「西日本を受け持ってくれない?」ってオファーがあったんだ。経費のほとんどは台湾企業がもってくれて、うちは国内販売に結び付ける商社のような役回りでいいってんだ。今はまだ商品を右から左に、お金だけ落として行ってくれる感じで、将来的にはショールームやメンテ工場を作っていく計画なんだけど。でもまだ、あまり売れてない。CMさえしてないバイクだもの。

 そもそも台湾製のバイク買う日本人て、どれくらいいるんだろう? あんまりいないだろうな。バイク王国の日本には、もっといいメーカーがあるもの。
 世界的な排気ガス規制がもっと厳しくなって来たら、日本のスクーターなんか販売出来なくなるって知ってる? その時にこそ電動バイクなんだろうけど、まだちょっと早かったのかも知れん。EVや燃料電池の自動車は、日本も世界に引けを取らない技術水準だと思うけど、電動バイクの開発はほとんど出来てないらしい。もう中国なんか、町中に電動スクーターが走ってるよ。静かすぎて接近に気が付かなくて怖いくらいに。この点、日本だけ世界と感覚が違うんだよね。未だにガソリンエンジンが主流だなんて、人口が1億人もいれば、世界で売れなくても国内販売だけで結構やっていけるから、日本メーカーは挑戦するのがへたくそだな。でもそのうち、完全にガラパゴスを繰り返す国になっていく。
 だから将来引退したら、僕は日本を捨てて(?言葉のあやですよ)、シンガポールに移住しようと思ってた。冬の間だけ向こうに住むとか、2~3か月に1回、2週間ほど行くとか、そんな感じのイメージで、お世話になってたボスが、よくバリ島に行ってたから。
 ところがシンガポールの物価がどんどん高くなって、今や世界一の水準。で、方針転換→ 車で行き来出来る隣のマレーシアに変更してたんだけど・・・。