さよなら、カノン
フリルのついた可愛らしい洋服に着替えたカノン
おしゃれなカンカン帽を被るカノン
実穂子 「お帽子はお外に出たときに被ろうね」
カノンの頭から帽子を取りテーブルの上に置く実穂子
実穂子 「カノン、ちょっと待ってて」
玄関から庭先に出る実穂子
サマーニットと麻のパンツスタイルで縁側のカノンの前に立つ実穂子
しゃがんでカノンと目線を合わせる実穂子
実穂子 「あなたはだあれ?」
カノン 「カノンだよ。よしかわカノン」
実穂子 「嘘おっしゃい!」
声を荒らげて激高する実穂子
たじろぐカノン
実穂子 「何が目的? 誰かに言われてやってるんでしょ?」
カノン 「わかんないよ。なんでそんなこと言うの、ママ」
実穂子 「ママはこれからお出かけするから」
お出かけと聞いて喜ぶカノン
カノン 「やったー!お出かけ。お出かけ」
実穂子 「あんたは行かない」
カノン 「ええっ?」
実穂子 「あんたは・・・」
カノン 「カノンはお留守番?」
実穂子 「お留守番もさせない」
カノンを抱きあげる実穂子
カノンを小脇に抱え物置小屋の戸を開ける実穂子
小屋の中にカノンを投げ入れる実穂子
小屋の戸が閉まり暗闇の中に取り残されるカノン
実穂子 「あたしが帰るまでそこにいなさい」
小屋の戸のカギをかける実穂子
暗い小屋の中でママと叫ぶカノンの声
やがてカノンの声が泣き声に変わるが無視する実穂子
キッチンで待つカノンに向かって
実穂子 「カノン。お帽子持って」
背伸びしてテーブルのカンカン帽を手繰り寄せるカノン
実穂子 「カノン、おいで」
カンカン帽を持って実穂子の首に抱きつくカノン