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あすは我が身

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その4


自宅に帰って生活するようになって、しばらく例の彼女と話すことはほとんどなかった。恋多き彼女にはもう相手が居なくなったのかも知れないなと思っていた。
たまに話す機会があると、相変わらず彼女は何もかも私にべったり寄りかかり相談してきた。頭の良い女性ではあるが、彼女には自立という点で欠けている部分があり、私はこれまで勉強したり体験してきたことを一つひとつ教えたが、彼女はあまり頭に入らないらしく、私が全く入ったことがない株の世界の相談までしてきた。

リアルの友よりストレートに物を言っても彼女は怒りもせず私と話をしたがっていた。
暫く途絶えていた彼女との電話が、数年経ち再び話すようになったとき、彼女は最初、挨拶もせず自分のことばかりべらべらとしゃべり続けた。

彼女は、「私ね、心理学の本を読んだから強くなったんよ。今まで貴女に教えてもらったことと同じことが書いてあったわ。もう相談しなくても自分で考えてやっていけるよ」と放言まるだしで言った。

作品名:あすは我が身 作家名:笹峰霧子