ビーチグラス(続・おしゃべりさんのひとり言 105)
ビーチグラス
海岸で貝殻を拾った経験のある人いますか?
メルヘンチックかロマンチックなのか、僕はあります。
多分皆さんの多くも経験あるでしょう。
でもなんで、そんなもの拾い集めてしまうんでしょうか?
きっと、きれいだから、珍しいから、非日常でこのチャンスでしかお目にかかれないから、ですよね。
それが湖とか池や川だったら、貝殻なんか集めませんよね。
黒いシジミやタニシなんて、むしろ汚いと思っちゃう。
やっぱり海だからこその魅力があるんじゃないかって思うんです。
南の島の青い海のビーチにころがる貝殻。イメージいいでしょ。
でも日本の海岸に落ちてる貝殻って、いつも色褪せていてあまりきれいじゃない。
お土産物屋さんに売ってる貝殻の詰め合わせは、まるで宝石のように見えるのにね。
だから頑張って拾い集めても、ふと冷静になった時、興味が失せるって経験ありがち。
僕は何でも集めるの好きだから、すぐ熱くなって貝殻も結構集めたんだけど、後になって考えたら、海岸で時間つぶししてたようなもんだよね。
サラサラ砂じゃない砂利の海岸とか河原では、小石なんかもまた集めてしまう。
丸く削られた碁石のようなフォルムのマーブル模様や、色とりどりでつるつるの1~2センチの小石が好きだ。
全国を旅行する度に拾って来ちゃうけど、もうどれがどこの小石か分からん。
冷静に考えたら、(何してんだ?)って我に返ってしまうけど、いいんですww
飼ってた犬も散歩中、よく河原から小石咥えて帰って来てたし、僕はその真似してるだけ・・・!余計に変なやつwww
でもこれはこれで雰囲気のあるもんで、部屋の小鉢植物のディスプレーの脇役として活躍してるな。
そんなことしてると、よく海岸で目にするのがガラスの破片。
波や砂で洗われて角が取れ、透明度が落ちて淡い色合いになってるアレだよ。
『砂で削れたガラス』とか『海岸に落ちてるガラス』って言えば、大体の人は何を指すか解るよね。
一般的にかどうか知らないけど、それをオシャレに『ビーチグラス』って呼ぶんですってね。特別感ある人の言い方かな。
『シーグラス』ってふうには聞いたことあったけど、それじゃ『海草』って意味の英語に聞こえちゃって、ちょっと可笑しかったww。
僕も何度か拾った経験ありますよ。確かに(面白い物体だな)って思うけど、自然のものじゃないから、それほど価値があるとは思ってなかった。
価値があるってのは金額的に高い値が付くという意味じゃなくて、貝殻なら自然科学的に、小石なら地質学的にってことだけど、ガラスの欠片じゃどういう位置付けで捉えればいいのか・・・ゴミなので、文化的に、民俗学的に・・・やっぱゴミです。
小学生の夏休みの工作で、ごちゃごちゃとガラス瓶の周りに貼り付けてみるくらいしか、利用価値が思い付きませんもの。
そう言えば沖縄で、琉球ガラスの破片か何かをビーチグラスとして、袋に詰めてお土産物屋さんで売ってるのを見たけど、本物のような淡い色合いじゃなく、毒々しいまでにカラフルな原色そのままだったから、(こんなん何に使うの?)って思ってたら、金魚鉢の底石として需要があるんだとか。
ビー玉みたいなの入れてる水槽なら見たことあるけど、ガラス片じゃ尖ってないにせよ凸凹してて、きっとすぐ水アカだらけになるよ。
僕にはこんな感じの認識しかなかったので、砂浜では曇ったビール瓶の欠片ばかりが目に付く。
たまにきれいな色のを拾っても(どうしよう?)って、シジミやタニシと同じ感覚でした。
ところが、そのビーチグラスの魅力について、本題に入ります。
作品名:ビーチグラス(続・おしゃべりさんのひとり言 105) 作家名:亨利(ヘンリー)