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【前編】哀レは己レの為メ成レど

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カナコ「今日いっぱい色んなこと話したおかげで、私も弁護士ちゃんと目指そって思って、凄いモチベーション上がった! もう今勉強したくてしょうがない!」

まなみ「そっか…それよりね、かな子」

カナコ「やっぱ先にお風呂入るね!」

フローリングを駆け足で移動する音


まなみ「は?」

まなみ「なにそれ」


まなみ「自分だけ好き勝手吐いて。私ゴミ箱みたいじゃん。」

まなみ「でもあのセリフ…見覚えが…」

歪んだS E

まなみ「うぅ…また…」

しゃがみ込む(絹擦れの音)

まなみ「夢なら覚めて・・・」



<朝、カナコ宅>

カナコ「おはよ!」

まなみ「おはよう。 (あれ、服綺麗になってる) 洗濯ありがとね」

カナコ「?」

まなみ「今何時?」

カナコ「7時です!」

まなみ「早いのね」

カナコ「グループワークの課題の締め切りがもうすぐで。 今日は帰るの遅くなると思います!」

まなみ「そっか」

カナコ「それでーあのー…ご飯なんですけど…」

まなみ「…あぁ、良いわよ。何か作っとく。」

カナコ「ありがとうございます! じゃあ、行ってきます!」

まなみ「…あれ、なんで私作ることになったんだろ。  そもそもここってどこなんだ?」

スマホを開く

まなみ「圏外って…久しぶりに見たわ」

歪んだS E
まなみ「うぅ…昨日からなんなのよこれ…意味わかんない…!」


<夢>
まなみ「お疲れ様です」

ともき「お疲れ様」

まなみ「わざわざありがとうございます」

ともき「うん。 でも電車があるからあんまり居れないよ」

まなみ「全然大丈夫です。 電車の時間って何時ですか?」

ともき「6時半」

まなみ「(あと10分て…)」

ともき「…」

まなみ「…」

ともき「…」

まなみ「…熱くてすぐに飲めないですね、これ」

ともき「そうだね」

まなみ「…今日は」

ともき「やべっ、時間勘違いしてた。 もう行くわ」

まなみ「あ、はい」

まなみ「…」

まなみ「なんで」

<カナコ宅>
まなみ「まただ…」

まなみ「…あークソッ」

まなみ「そろそろ行かなきゃ」

玄関を開ける音  地面の上を歩く音

まなみ「なに作ろ…」

まなみ「帰ってきて焼きそばだけだと絶対舐められるな…めんどくさいけどハンバーグ作ってやるか…薄力粉を空炒りするとこから作って認めさせてやる」

足音が止まる
まなみ「あれ」

まなみ「…スーパー着いた」

まなみ「場所…知ってたっけ…」

自動ドアの音
スーパー内の賑わっている音

歪んだS E
まなみ「…」

歪んだS Eとともに、まなみ無言で足音だけ聞こえている。
肉売り場のところでピタッと止まる。意識して止まるというより、操られて止まったような不可思議な止まり方をする(キュッ!みたいな音)。

まなみ「…あれ、私いつの間に。 あひき肉。」(手に取る)

まなみ「あとは玉ねぎと…」

S E:キラキラキラキラ
まなみ「はくりき…」

ユウキ「」

まなみ「ともき…さん…?」

ユウキ「あれ、もしかしてまなみさんですか?」

まなみ「え?」

ユウキ「カナコちゃんから聞いてますよ!シェアハウスしてるとか、いろいろ」

まなみ「え、えぇ。 どうしてわかったの?」

ユウキ「写真見してもらったことがあって、もしかしたら!と思って」

まなみ「よくわかったわね」

ユウキ「今日は何作られるんですか?」

まなみ「…ハンバーグ、作ろうと思って」

ユウキ「良いな〜。カナコちゃんが羨ましいですよマジで」

まなみ「ありがとね。 やっと認められた気分」

ユウキ「ん?」

まなみ「こっちの話。 それより明後日の水族館なんだけど」

ユウキ「え?」

まなみ「…え?」

ユウキ「カナコちゃんって結構まなみさんに話してるんですね笑」

まなみ「そ、そうね。帰ってきたらすぐ話す子だから。」

ユウキ「楽しみにしてるとお伝えください!」

まなみ「うん、」

ユウキ「それじゃ!」

まなみ「あっ、待って!」

ユウキ「なんですか?」

まなみ「水族館って決めたのって、どっち?」

右耳からユウキの声、左耳からまなみの声
ユウキ「カナコちゃんですよ」
まなみ「カナコで」

まなみ「選んだ理由は」

ユウキ「えーっと、たしかぁ」

ユウキ「最後に行ったのが小学生の時だから、久しぶりにイルカのショーを見たい」
まなみ「最後に行ったのが小学生の時だから、久しぶりにイルカのショーを見たい」

ユウキ「とかだったかな」

まなみ「そう…ありがとね」

ユウキ「いえ!それでは!」

スーパーの環境音、ゆっくりフェードアウト

自動ドアから出て、ゆっくり歩き外へ出る。振り返りスーパーを見上げる。
レジ袋の音(スーパーから出てきたことを伝える)

まなみ「(左手で頬をつねる)…痛くない」

まなみ「はぁぁ(長めのため息)…ダサっ。」

カットイン

まなみ「私、自分の描いた漫画の夢見てんの?」

まなみ「…26にもなってこんなのみるなんて」

まなみ「…一旦帰ろ、きっと寝たら現実に戻って…さっきあんなに寝てたのに、まだこの中だ。 何か向こうへ戻るキッカケが」

まなみ「あれ、…着いてた。」

玄関開ける音「ガチャ」

カナコ「おかえりなさい!」

まなみ「あら、早かったのね」

カナコ「うん!みんなテキパキやってくれて、無事課題も終わりそうです!」

まなみ「そう」

カナコ「まなみさんのご飯楽しみ〜」

まなみ「待ってたんだ」

カナコ「ん?」

まなみ「(そうか…ここから出る方法…)」

まなみ「…」

まなみ「カナコの退屈な未来…全力でぶち壊してやる」

包丁で野菜を切る音「ダンッ!」

カナコ「何か言ったー?」

まなみ「ううん、何も」

―後編へ―