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家庭それぞれ

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その6


そのころは孫は小6になっていて、いつも私がいることで煩わしいような顔をすることがありました。母親が仕事中にともだちが来て家の中で騒いでいたというのを聞きましたが、私が居るとそれができないので邪魔だったのでしょう。
私はもう二度と神戸に来る事はないだろうと思いながら、寂しい気持ちで地元へ帰りました。これまで私が帰るときは新幹線の駅まで母子で見送りに来ていたのに、母親が声を掛けても行こうとはしませんでした。


私宅に帰ってからは友達と会うことが多くなりました。
ともだちが、今は反抗期だからもう少し大人になれば変わるよと慰めてくれました。自分の子供よりも可愛く思っていた孫だけにとても寂しい気がしたものです。


あれから六年の月日が経ちました。娘からはずっと孫の様子を知らせるメールが来ていたので大体のことは把握していました。誕生日にプレゼントを買ったりお正月にお年玉を送るのを楽しみにして、孫の成長を遠くから見守っていました。

私は地元でのんびりした暮らしが始まったのです。毎日夕方になると犬と散歩に出かけました。犬は私が大好きでアイコンタクトでラブを送っていました。

作品名:家庭それぞれ 作家名:笹峰霧子