『息子の部屋』をみた
『息子の部屋』をみた
帰りの電車で、Sと話した。
「お前、息子の部屋みたことある?」
「あるよ。それがどうかしたか」
「そうか、見たことあるのか。面白かっただろ?」
「どうして? 別に面白くなかったけどね。殺風景だし、黙って入るわけにもいかないし」
「それはお前の家の話だろ。映画だよ、映画。昨日観たんだ。DVDでね」
「ホウ、どうだったの?」
「精神分析の医者がいるんだ」
「ウン」
「息子と娘と美人の奥さんと四人家族でね」
「じゃ、俺のところと同じじゃないか」
「でも奥さんは別だけどね」
「うるさい。それでどうした」
作品名:『息子の部屋』をみた 作家名:ヤブ田玄白