【プロローグ】OVER HEAR -オーバ―ヒア-
ラヒ「『登録』と発言し、対象の声を聞かせてください。雑音の中から登録した声を聞きたい場合は、『集音 登録した名前』と発言してください。」 →閉じる音(ラヒの音3)
ユウ「そんだけでいいんだ。 ちょっとやってみようかな」
ユウ「ラヒ、オーバーヒア」 →起動音(ラヒの音1)
ユウ「登録」 →反応音(ラヒの音2)
S E:襖を開ける音
ユウ「お父さん」
父「ん?」
ユウ「今日の晩御飯ってなに?」
父「肉じゃが、もうちょっと待っててな」
ユウ「うん、わかった」
効果音:足音
ユウ「登録終了」 →反応音(ラヒの音2)
ラヒ「音声データの名前を登録してください」
ユウ「えっと、お父さん」
ラヒ「(反応音) 登録完了しました」 →閉じる音(ラヒの音3)
ユウ「・・・できちゃった」
ユウ「(こんなんで本当に聴こえるのかな)」
ユウ「ラヒ、オーバーヒア」 →起動音(ラヒの音1)
ユウ「集音、お父さん」
さっきから遠くで聞こえていた環境音がさらに小さくなり、お父さんの声がボリュームアップ
父「き、聞き取れてた・・・。あんなボソボソ喋ったのに。本当に良い補聴器なのか。いやでも、後々に副作用が、なんてことにも・・・。いやでも、耳が聞こえているのは確かで・・・。(このセリフの途中からピックアップ)」
ユウ「す、すごい…」
父「(啜り泣く父)いやでも、・・・良かった」
ユウ「お父さん・・・」
父「あぁ鼻水入っちゃった」
ユウ「しゅ、終了」 →閉じる音(ラヒの音5) →通常の環境音へ
ユウ「これってもしかして、すごい機能なんじゃ・・・」
作品名:【プロローグ】OVER HEAR -オーバ―ヒア- 作家名:平塚 毅