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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
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日本 むかし 小話

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日本むかし小話



 今はむかし、都のはずれのとある山里に、竹取の翁(おきな)と言うものあり。
山で竹を切っては籠を作り、それを都に売りに出て、一人質素な生活を送っておった。
ある月夜の晩、裏の竹藪にまばゆい光が現れた。
翁はなんだろうと、それを見に行った。
すると、一本の立派な竹の幹が、社の松明より眩しく光っておった。
「ほう、太く立派な竹じゃぁ。これを切ってもよいものか?」
不思議に思った翁は、そのあまりの神々しさに、切るのを憚られて家に帰ってしもうた。

 次の日、隣の家に一人で暮らす媼(おうな)に、そのことを話すと、その媼も似たような話があると言うた。
そうしてかまどの横に置いた大きな桃を、翁に見せたのだ。
「こりゃ驚いた! なんと大きな。この桃はどうしなさった」
「三日前、川で洗濯しておったら、川上から流れて来たんじゃぁ」
「ほう、山奥の桃源郷から流れて来たのかの?」
「そんなこったろなぁ。水蜜桃の木から落ちたんじゃろうて」
「ばさまの野菜と一緒に、都で売ってみてはどうじゃ?」
「あれからどんどん大きゅうなって、もう運ぶの大変そうじゃしのう」
「でも、今が食い頃じゃ」
「仙人の桃かと思うて、よう食わんのじゃ」
「そんなこと言っておったら、腐ってしまうぞ。なら、わしが切ってやろう」
そう言うと翁は、いつも腰にぶら下げておる竹割りの鉈で、その桃を切ってみた。
するとどうだろう、中にはスヤスヤと眠る、ちょっと大きく育った男の子が入っておった。
「なんという事じゃ。わたしはこんなかわいい稚児を見たことが無い」
「大きい子じゃ、ちょっと切るのが遅かったかの。誰か桃に入れて捨てたんじゃろうか?」
「なんと可哀そうなこと、この子はわたしが引き取りますじゃ」
そう言って媼は、その子に『桃太郎』と名付けて、大切に育てることにしんさった。
「それはよいことじゃ。しかしの、不思議な話には気を付けんといかんよ」

 その晩、翁は思案に明け暮れた。
(うーむ不思議じゃぁ。桃太郎は普通の子なのだろうかのう?)
そしてふと昨晩の光る竹のことを思い出した。
(やっぱり、あの竹を切ってみよう)
翁は真夜中に昨日の場所に行くと、やはりその竹は眩しい光を放っておった。
しかし、昨日よりずっと太くなっているではないか。
そして鉈を握り、迷いを断ち切るかのように一振りでその幹を切ると、中にはスヤスヤと眠る、ちょっと大きな女の子が入っておった。
「これまた驚いた。やはり切るのが遅かったか、こんな大きなってしもうて。しかし今度はおなごじゃ。わしはこんな眩しいややこを見たことが無い。」
その子を抱きかかえると、
「不思議な事には気を付けねばの。しかし放っておくわけにもいかんしのう」
翁はその子に『かぐや』と名付け、隣の媼と同じよう、育てることに決めよった。