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中二病の正体

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 そんな状態なのに、兄からの強要で、SMの関係を押し付けられていた。自分では無理なことだと思っているのに、兄は許してはくれない。
「まるで私は、お兄ちゃんの奴隷にされた感じだわ」
 と思った。
 今まであれだけ優しかった兄が、どうして豹変したのだろうか?
「まさか、異母兄弟だということが引っかかっているのではないかしら?」
 という思いと、さらに、
「年齢が離れていることも、何か影響があるのかしら?」
 とも思った。
 そんな状態で、思い悩んだ結果、たどり着いたのが、
「私が大人にならなければいけない」
 という感情で、その感情の行きつく先が、
「中二病」
 だったのだ。
 中二病に裕美が至るまでのことを、ゆっくり考えれば分かるはずのことだった。少なくとも、雄二には分かってしかるべきだったのだ。
 しかし、そのことに雄二が気づかたかったのは、自分が裕美に対しての異常な感情と、さらに裕美が弘前に対して感じている感情。そして、その感情に自分が嫉妬していることで、弘前を遠ざけたいが遠ざけられないという感情があったことだろう。
 自分の五月病も、こんな異常な感情の行きつく先が見えていなかったからだろう。
 勧善懲悪というものが、想定的な感覚を生み出し。それが、三人の間で、歪なスパイラルを形成していることで、結界が出来上がっていたのに、それが見えずに、皆がそれぞれに、自分に納得できないという状況に陥ったことだろう。
 弘前は、たぶん、自分が勧善懲悪な性格が災いしていると思っていることだろう。
 それはそれで間違ってはいないが、他の二人には、それがいいことにしか見えていない。
 つまり、他の二人も自分の性格の悪いと思っているところでも、まわりから見れば長所にしか見えていないことだってあるのだ。
 それは、歪な、
「負のスパイラル」
 を形成しているのだった。
 裕美が患っている中二病の正体を、誰か一人でも気づくことができれば、問題は解決するのではないだろうか。
 本当は裕美が気づくべきなのだろうが、自分のことは自分にはえてして分からないものだ。
 そのことを、雄二も弘前も、そして裕美も分かっている。
「中二病というスパイラル」
 を抜けることができるには。裕美が本来の意味での大人にならなければいけない。
「本来の意味の大人とは、何なのだろうか?」
 このことを考えていたのは、何と、弘前だったのだった……。

                 (  完  )



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作品名:中二病の正体 作家名:森本晃次