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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
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あれから12年―3

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あれから12年 (三)



 しつこいようで恐縮だが、あの頃のことはなかなか忘れられない。
もう一回だけお付き合いください。


 大地震の翌週は、月曜日が春分の日で三連休だった。
私はどこにも出かけずじっとしていた。
正月明けに、「巣篭り」のことを書いたが、まさにそれだった。
しかし、震災後の三連休は、否応なしの「巣篭り」である。

 土曜日、天気はよかった。
もったいないような陽気だった。
午後、身体がなまるのが嫌で、いつもの練習場に出かけた。
駐車場はガラガラだった。
ゴルフキチガイはこういう日も練習する。
練習したから上手くなるわけではないが、練習しないと落ち着かない。
〈皆同じ気持ちだろう〉と、無言のうちに連帯感が生まれた。
作品名:あれから12年―3 作家名:ヤブ田玄白