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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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あれから12年―1

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「いらっしゃい。イヤー、昨日はひどかったですね」
とおにいさんは明るい表情で私を迎えてくれた。

 床屋さんのテレビも、地震のニュースをやっていた。
目を覆うような惨事だった。
気弱な私は、正視することができない。
それで、家を抜け出して床屋に来たのだった。
それなのに、おにいさんは、地震の話ばかりした。私の気持がわかっていなかったようだ。

 しかし、おにいさんはいろいろ物知りでもあった。
「食糧が無くなる前に買い出しに行きなさい」
「水を用意しなさい」
などとアドバイスしてくれた。

 私は帰宅すると、スーパーに行った。
缶詰をたくさん買った。
明日からしばらく、猫と一緒に「さんま蒲焼」や「カップヌードル」が食べられると思うとすこし楽しみでもあった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 あれから12年たったのか。
ついこの前のことのようで忘れられない。
作品名:あれから12年―1 作家名:ヤブ田玄白