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愛情

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私の世間 その1


独り住まいだと脳の中が毎日掃除されて塵がなくすっきりしている。
会おうと思えば会って話せる人が一握り存在はするが、それも私には何か月に一回ぐらいが丁度良い。

後の大半は自由行動なので、就寝前とか目覚めたときにそのことを思うとのびのびしてうれしくてしょうがない。

独りでいてもひとりぼっちではない。しっかりした子供と信じられる友人が少々いて繋がっている。
子供は娘が二人。
一方は国内の県外在住、一方は外国のアジアに住むこと八年ぐらいになる。アジア駐在の子は老後どこに住むのかわからないが、とにもかくにも私が今住んでいる家屋敷に棲む場所を確保してあるから安心して仕事ができるのだろう。

逐一生活状況を知らせてくるのは国内在住の子。フェイスブックのチャットで話す。なにか気になる事柄については日に何度もメールが来るのでスマホで見つけて主にパソコンで返信している。少し長い文になるとパソコンの方が早く打てるからだ。

今の所、私が娘に頼ってメールをしたことはないが、先方はまだ私を頼りにしているようだ。それというのもむかし子育ての過程で、問題を抱えている人に対応する勉強をしたお陰だ。自分なりに知る限りの知識を伝授しているつもりだが決めるのは本人だから、足は半分しか突っ込んでいない。

他人でも我が子でも悩める者にどっぷり浸かると共倒れになり、老いた身には健康寿命に影響する。「足を半分」というのは習った知識の中では大事な一言だ。


 
作品名:愛情 作家名:笹峰霧子