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錯覚

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その2


その結末が良くない場合、本人が気づくのは親が高齢になるか、もうこの世にはいない場合だってある。

しかし子供の我を認めて羽ばたかせてやるのが悪いとは限らない。子供も軸がきちんとしていればいつかは自分なりの夢を叶える。その頃には親は許すもなにも遠くから眺めてこの先もどうか幸せにと祈っているのだ。

親とはそういうもので、それは繰り返し繰り返し続く。
自分が老いてみて初めてそのことに気付き、あの時親はさぞ辛かったろうなと思うが、親はもう墓の中にいる。
人間が生きていくということはそういう山あり谷ありの人生を漕いで行くことではないかしら。


作品名:錯覚 作家名:笹峰霧子